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ホーローの旅

レポート109 深まる秋に、山陰ホーロー紀行1 鳥取編

2006.10.20
兵庫県宍栗市~岡山県美作市~鳥取県智頭町~鳥取市


探検レポート109

ずっと温めていた計画を実行に移すときが来た。
何度も延期してきた山陰の探検にようやくチャレンジするのだ。 彼の地は遠い。ざっと調べてみたら、折り返し地点の島根県浜田市までは自宅から800キロもあった。
3日間ひとりで運転することに果たして耐えられるのか?このところ悩ませている体調の悪さ(神経痛)もあり、ちょっとばかし不安にもなったが、うれしいことに出発前に広島ののぶ太郎さんから同行の申し出があり、不安な一人旅が2日目からは二人三脚となる。持つべきものはホーロー仲間だ。
自宅を早朝出て、名神から中国道を乗り継ぎ兵庫県の山崎インターで下りた。ここまでちょうど4時間、昨年5月に副隊長のあんもんと訪ねているがまったく土地鑑がないので、すぐに道を間違えてしまった。
最も、クルマにはナビもついていない。いつものように地図とにらめっこだ。 まずは国道29号線を波賀町に向かう。
山間の町でお宝を探すのは私にとってこの上もないヨロコビだ。お宝が放つ輝くオーラと、田舎の蒼い空が絶妙にマッチするからだ。
刈入れが終わった田んぼの脇には柿がたわわに実り、コスモスの花が咲き乱れる…うーん、たまらん(笑)。
波賀町から国道429号線に乗り、宮本武蔵ゆかりの地である岡山県美作市大原で373号線につなぐ。途中の集落で「胃腸良薬 青ぐすり」をゲット。
奈良県高取町の太陽堂製薬が発売したこの看板は、トンプク薬の「赤ぐすり」とセットで貼られているケースが多いようだ。

探検レポート109

更に岡山県に入ったところで「月桂冠」の看板を掲げた酒屋を発見。うれしいことに地酒や醤油の看板が下がっていた。
全国を回るうちに、それこそ星の数もある酒や醤油看板が気になりだした。お宝が残っている限り興味が尽きることはないだろうが、特に酒看板はデザイン的にも非凡なものが多く、何といってもネーミングがいい。「酔い機嫌」「幸娘」「★雄星」など、「あっぱれ、よくぞつけたり!」という感じだ。
鳥取県に入ると運転疲れもあって、左肩から腕にかけての神経痛がひどくなってきた。薬で抑えていたが、ハンドルを握るのも面倒になるくらい痛みが激しい。もう3週間もこんな状態が続いている。
医者の話では首からきているようで、気長にリハビリをやってくれ、と言われた。 しばらく休んで、今日の宿がある倉吉へ向かった。
途中の智頭町(写真)や用瀬町で調味料や酒看板をゲットしながら、それこそ休み休み走る。倉吉に着くまではちょっとばかし時間があるようなので、発作的に鳥取砂丘を見たくなったが、神経痛のことを考えると無理もできず、諦めることにした。
すっかり暗くなったところで、宿に到着。のぶ太郎さんは先着していた。1泊3500円(素泊り)という激安料金なので、それこそつげ義春や寅さん映画に出てくるような宿を想像したが、さにあらず。この宿に泊まったタレントの写真やサインが貼ってあるような清潔な部屋だった。
その夜はのぶ太郎さんと近くの居酒屋で一杯やり、ほろ酔い気分で戻った。アルコールが効いたのか、それとも麻痺してしまったのか、ニュース番組で明日から始まる日本シリーズのレポートを見るとうとうとし始め、神経痛のしつこい痛みがどこかにいってしまったようだった。(つづく)
(2006.11.5記)
※画像上/鳥取県智頭町の町並み。落ち着いた雰囲気がある町だ。人の姿はほとんどなかった。
※宿泊/「大阪屋」(倉吉市) 素泊まり利用の旅館。四畳半で3500円は激安。寝るだけなら充分か。☆☆☆☆★



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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