琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート358 東京ホーローウォーキング 2018晩夏

2018.9.23-25
東京都台東区~豊島区~中野区~練馬区~板橋区~世田谷区~渋谷区~大田区~荒川区~台東区


探検レポート358

町名看板を探して都内を歩くホーローウォーキングも10回目となった。
23区内で見つけた看板は179枚となったが、この分野での先達であるTMさんの342枚には遠く及ばない。
もっとも参戦したのが2015年とあってはすでに時遅し。消失の現状を確認するたびに肩を落とすのだった。
さて、10回目のウォーキングは少し気合を入れて2泊3日の旅とする。 僕が看板探しに活用している昭文社『街の達人東京23区』はどのページにも付箋が貼られ、マーキングと書き込みだらけになっているが、今回の探検では23区内を東奔西走し、マーキングしたポイントを1件づつ訪ね歩くことになる。

9月23日朝、仙台から東北新幹線『はやぶさ』で上京。上野からそのまま南千住に直行し、ホテルに荷物をあずけてホーローウォーキングがスタートした。
まずは『東上野6丁目』の看板。これは過去に何度もチャレンジして見つけることができなかった看板だが、ストリートビューによる机上調査で見つけることができたいわくつき。2本の電気コードが看板を縦断しているのもご愛嬌だった。

探検レポート358

台東区を離れ、一気に豊島区へ飛ぶ。地下鉄有楽町線要町駅で下車し、のんびりと歩いていく。
閑静な住宅街の中を歩くが、前方にはキャスター付きのスーツケースをガラガラと引きずった若い女性が歩いており、私と同じ方向で、距離を置きつつも金魚のフン状態でつかず離れず歩くことになってしまった。
女性も後ろを振り返ったりするので、自分をずっとつけてきている不審なおじさんとでも意識しているのだろうか。 こういうのは決まり悪くて仕方がない。
変質者や痴漢だと思われたら洒落にならないので、一旦横道に逸れて、池袋三越がスポンサーになっている町名看板『高松三丁目1』の前に出た。
しかし、そこで何とばったり件の女性と遭遇。 カメラを首から下げているし…決まり悪いことこの上なかった(笑)。
さて、気を取り直して、ここからが体力勝負のウォーキングとなる。次のターゲットは中野区江原町。県道420号線に沿って脇道を選びながら歩く。
2kmといえども汗がとめどなく流れ、途中のコンビニでアイスキャンデーと冷たいアイスコーヒーで喉を潤し、ようやく本日3枚目の町名看板をゲットした。
ここからは鉄道と徒歩の二本立て探検となり、練馬区と板橋区を中心に歩く。練馬区富士見台から高野台まではレトロな商店街もあって、足の痛みを忘れるほど楽しいウォーキングとなった。
いつもベルトに付けている歩数計の数値は2万6千歩を超えており、最近にない高いスコアである。
ホーロー看板を探しながら健康づくりができるという一石二鳥の探検であるが、いかんせん、この暑さはどうにもならぬ。
この日最後の板橋区赤塚の看板を撮影したのはすでに17時30分を回っていたが、気温は30度近くあり、着ていたTシャツの汗が乾かぬまま、半ば脱水状態のままフラフラと南千住の宿に向かう電車に乗り込むという、行き過ぎの健康づくりとなってしまった。

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翌24日。南千住のビジネスホテルで目覚める。
いつもならドヤ街にある2000円程度の簡易ホテルだが、今回は少し奮発して3000円のホテル。
まぁ、似たようなものだが、以前大阪のこの手の宿で南京虫の被害に遭ってからこりごりし、少しグレードを上げている。とはいえ、部屋には風呂もトイレもないから、まぁ、似たようなものか…。
さて、二日目の探検は杉並区と大田区を回った。足の痛みは一晩で消えていたが、下半身のだるさはワンランクアップしたようだった。
世田谷区の豪徳寺から赤堤にかけては看板が点在しており、頭上を照りつけてくる陽光に辟易しながらひたすら歩いた。
中でも『赤堤5丁目4』にはスポンサーが違う2枚の看板があった。これは珍しいパターンで、貼られた当時の意図は分からないが、都内で見つけた看板として初のケースだと思う。
また、この日の最後に見つけた『品川区豊町6丁目27』は、壁から欠落しており庭木の植木鉢の間に挟まれるように隠れていた。
危うく通り過ぎるところだったが、それを立てかけて最後の撮影を飾ることができた。
二日目の収穫は24枚。よく歩いて思いっきり汗をかいた一日となった。

探検レポート358

最終日。今にも雨が落ちてきそうな曇天となった。
まるで梅雨の最中のように蒸し暑く、ホテルがある南千住から看板のある荒川1丁目までの3kmを汗みどろとなって歩いた。
というのも午前の新幹線で仙台に戻ることになっており、三日分の荷物を詰めたショルダーバックを担いでのウォーキングとなったからだ。
町工場の壁に貼られていた看板を撮影し、すぐに踵を返し地下鉄大江戸線で新御徒町へ。この旅最後の看板は『台東区三筋1-5』。
町工場と民家が軒を並べるレトロな一角にある商店の片隅に看板はあった。シャッターを押すのと同時に雨が降り出し、あっという間に大粒となって落ちてきた。
白いワイシャツのサラリーマンが頭を押さえて駆け出すのを横目で見ながら、折りたたみ傘を出した。
考えるまでもなく、今日は月曜日。午後から面倒な仕事が待っている。
(2019.5.26記)
※画像上/レトロな建物が軒を並べる荻窪教会通商店街。杉並区天沼三丁目。
※画像中/練馬区貫井の商店街を歩く。
※画像中/探検二日目。朝一番に出くわしたネコ。杉並区阿佐ヶ谷。
※画像下/同上。池上付近には昭和レトロな民家や町工場が軒を並べ、休日とあって閑静。人の姿を見ることもなかった。
※宿泊/『ホテルNEO東京』素泊まり2泊6500円。南千住駅から徒歩7分のいわゆる山谷にある。大浴場もあって清潔で快適。☆☆☆☆★



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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