琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート360 念願の看板屋敷と出会った上州の旅

2018.10.23
群馬県高崎市~安中市~沼田市~みなかみ町~高山村


探検レポート360

仙台を去る日が決まり、ラストスパートよろしく北九州に次いで群馬県の探検を決める。
日帰り探検なので費用はかかるが、仙台から東北新幹線、大宮で上越新幹線を乗り継ぎ高崎下車、そこからレンタカーに乗り換えるという慌ただしさ。
午前10時には一枚目の収穫である高崎市の町名看板の前に立っていた。『成田町』の看板は更にもう一枚あり、クルマ一台がやっと通れる脇道の古い民家のトタン壁に貼られていた。
かつては高崎市内にはたくさんの町名看板が残っていたと思われるが、現在でも見ることができるのはおそら3枚程度だろうか。
情報によれば、2008年に撮影した『歌川町18』の看板も消失したそうだ。
高崎からは進むにつれ迫ってくる妙義山の異様な山容を見ながら、一路、松井田を目指す。
JR信越本線の横川駅近くにある看板屋敷を撮影するのが今回のホーロー探検最大の目的である。
金鳥ペアがダブルで、ダイヤ学生服と日の出桜学生服の計6枚の看板が貼られた屋敷は多くのサイトでも取り上げられており、ずっと気になっていた念願の物件である。
2005年に訪ねた時は横川駅の周辺を探すも結局見つけることができず泣く泣く諦めて帰宅した経緯があった。

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今回は事前にストリートビューで確認したこともあり、満を辞しての再訪である。 屋敷は横川駅から碓氷峠に向かう『アブトの道』沿いにあった。
このルートは 旧国鉄時代に群馬県の碓氷峠を走行していた信越本線のアプト式鉄道の廃線跡を埋めて遊歩道にした道。関所跡や変電所、重要文化財となっているレンガ造りのめがね橋もあってハイキングコースとしても人気が高い。
屋敷はこの道の途中にあった。かつては汽車の車窓からよく見えたのだろう。屋敷の前に立ってみると、そのインパクトに圧倒される。よくぞ残っていてくれたと思える物件である。
意中の屋敷をカメラに収め、次の目的地に急ぐ。 時間を稼ぐために松井田妙技ICから上信越自動車道に乗るが、いくらも走らないうちに心臓の鼓動が激しくなり、冷や汗が出てきた。
忘れていたパニック障害の発作である。 スピードを落とし、次の下仁田ICで下り、事なきを得た。
ここ10年はすっかり影を潜めていたが、10数年前に高速道路やトンネルで同様な症状を経験したことがあり、医師からは軽いパニック障害ではないかと言われていた。
自分の場合は発作が起きる条件が決まっているようで、①高速道路走行中②長いトンネル走行中③単独で運転中…の三つの状況が揃ったことが多いが、振り返って思うと、走っている時に運転が怖いと自分自身に暗示をかけた時に起こっていると思う。
ちなみに一般道では発作は起こったことがないので、自己暗示が心にプレッシャーをかけているのではないかと思う。

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心を落ち着かせ、時間はかかるが下道で沼田まで走ることにし、交通量が多い国道17号線や旧道沿いを狙って北上する。
渋川を経由して沼田市までは2005年を皮切りに何度か探検したことがあり、その都度バラエティに富んだホーロー看板を見つけてきたが、時間とともに多くの看板たちが消失している現状を見ていくことになった。
そんな中で沼田市で見つけた『強力パント』や群馬県のご当地看板ともいえる『純パラダイヤ』が貼られた看板屋敷をカメラに収めることができた。
沼田を過ぎ、みなかみ町の二箇所の酒屋で地酒の看板を撮影し、高崎までの復路を高山村にとった。
2009年以来の高山村の探検だったが、収穫は久しぶりに出会ったアースペア看板。 トタンの小屋に貼られた由美かおると水原弘のツーショットが、「よくぞ見つけてくれたね」と声をかけてくれるような、そんなロケーションに心が和んだ。
すでに釣瓶落としの陽は傾き、パニック障害の発作のこともすっかり忘れたのんき者は、高崎までの山道を鼻歌交じりにのんびりと下った。
(2019.6.7記)
※画像上/松井田町が近づくと、異様な山容の妙義山(1103メートル)が迫る。白菜畑から撮影。
※画像中/念願の看板屋敷をようやくカメラに収めた。いかにも鉄道系看板らしくインパクトがある。
※画像下/石畳が続く静かな温泉街にあった地酒看板。群馬県みなかみ町。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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