琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート370 冬の始まり近江縦断ホーロー旅

2019.11.30-12.1
滋賀県甲賀市~近江八幡市~東近江市~長浜市


探検レポート370

たまにはカミさん孝行を…と、観光半分ホーロー探検半分の滋賀県への旅に出た。
思案して練り上げた一泊二日のコースは、信楽→近江八幡→彦根→長浜→木之本を巡る歴史を訪ねる滋賀県縦断コース。
NHKの朝ドラ『スカーレット』のロケ地として人気急上昇中の焼き物の里・信楽、彦根城、安土城、長浜城は城好きなはカミさんからのリクエストである。
北國街道が通るゴールの木之本については、酒蔵に残る地酒のホーロー看板を撮りたい…この一点の目的のために訪ねることにし、事前に酒蔵の女将さんとメールのやり取りをして立ち寄ることになった。
初日は信楽から安土を回り、八日市泊の予定でハンドルを握った。 信楽を訪ねるのは10年ぶりだが、期待していた窯元が集中するエリアを歩いても看板の姿を見かけることがなかった。
以前撮影した看板もすでに姿を消しており、10年の歳月がホーロー看板の生存にとって苦難の時間となったようだ。 一枚も見つけることができないまま、安土へ向かう。
情報を得ていた水口の酒蔵で地酒の看板と、山間の小さな集落にあった酒屋で『四季好湖乃國』の地酒看板を撮影した。

探検レポート370

酒屋のほうはシャッターが閉まっており、ちょうどカメラを構えた時に背後から「何してはるの?」と声をかけられた。 振り返ると、小さなお爺さんの姿。 事情を説明すると、快く了承してくれた。
この店はかつて酒造業を営んでいたようだが、当時の面影として残るものは今では壁に貼られた看板のみとなったようである。
安土城址に立ち寄った後、宿がある八日市に着いた頃には日がとっぷりと落ちていた。その間にもハンドルを握りながら車窓から看板を探したが、脱穀機の看板を一枚見つけたのみだった。

翌日、冬の扉が開いたようなピンと張りつめた空気の中、クルマのフロントガラスに付いた氷を溶かしてから出発。
近江八幡市内のレトロな電気店のショーウインドにあるナショナルの看板を撮りに立ち寄るが、あいにく開店前の 時間帯だったこともあり、シャッターが閉まっており空振りとなった。
近江八幡からは彦根城を回り、長浜にクルマを置く。 長浜城下は黒壁スクエアを中心に古い街並みが残っている滋賀県でも有数のレトロな街だ。 これまでにも何度か訪ねているが、時間をかけてじっくりと町を歩くのは今回が初めてである。
それだけに期待が膨らんだが、ついぞお宝の姿に出会うことがなく時間を費やしてしまった。“古い町並みにお宝の姿あり”はもはや幻となってしまったのだろうか。
長浜から木之本までのJR北陸本線沿いはかつての“看板街道”だった面影もなく、一枚のホーロー看板に出会うことなく木之本の町に入った。

探検レポート370

旧北国街道が通る町並みには、当時の面影が色濃く残った稀有な風景が展開していた。少しオーバーかもしれないが、江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を感じてしまう。
山路酒造はひときわ古い建物としてたたずんでいた。古い建物が連なる街道にあって、見事に調和している。
杉玉が下がった入口から引き戸を開けると、帳場台を挟んで女将さんと目が合った。女将さん曰く、天文元年(1532年)創業のこの蔵は日本でも5番目に古い酒蔵というから半端ではない。
お目当ての『桑酒』のホーロー看板は3枚。更に古い木製の看板もあり、それら一枚一枚をカメラに収めさせていただいた。
代表銘柄の桑酒は桑の葉から作ったリキュール類で炭酸割が美味しいということだった。蔵に残された看板を撮影させていただいたお礼に陶器のとっくりに入ったものを購入。
とっくりは岐阜県の美濃焼ということで、70年前から窯元に特注しているということだった。 私が住んでいる町の名が飛び出し、思わず苦笑した旅の最後だった。
(2020.3.3記)
※画像上/彦根城で。今が盛りの紅葉が目にまぶしかった。
※画像中/信楽といえば狸。巨大なタヌキが出迎えてくれた。
※画像下/長浜市の黒壁スクエア。日曜日とあって多くの観光客であふれていた。
※宿泊/『コンフォートイン八日市』朝食付8300円(2名)。朝食サービス付きでこの価格ならコストパフォーマンスは良さそう。コンビニも近くにある好立地。快適さは文句なし。☆☆☆☆★



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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