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ホーローの旅

レポート96 丹後半島ホーローの旅【後編】

2006.6.18
兵庫県豊岡市~京都府京丹後市~与謝野町~宮津市~福井県小浜市~滋賀県高島市~長浜市


探検レポート96

福知山のビジネスホテルを早朝出発。これがなかなかのパフォーマンスで、久しぶりに大当たりのホテルだった。
浴衣ない、洗面道具ない、ドライヤーない、ポット、お茶セット、冷蔵庫、ティッシュ、モーニングコール、目覚まし時計… などなど、ないないづくし!(聖書はあったぞ・笑)。最も、4400円の泊まり賃では文句も言えないが…。
福知山からは夜久野町経由で兵庫県に入る。出石(いずし)町までの国道沿いは期待が大きかったが、ほとんどお宝の姿を見ることなく通過。それこそ兵庫県に入った途端パッタリと途絶えた感じだった。
出石町は小出氏五万三千石の城下町で、但馬の小京都とも呼ばれている。出石城付近に点在する武家屋敷も一見の価値があるが、それよりもそば屋の数には圧倒された。
肝心のお宝は念入りに市内を回るも撃沈状態。但東町に向かう国道沿いでわずかに見つけた程度だった。
但東町から再び京都府に入り、いよいよ丹後半島の人となった。京丹後市(旧・峰山町)は古くから発展した町なのだろうか、丹後半島の中心にあたり、交通の要所となっているだけに、板壁の家屋も多く見られた。
与謝野町に向かう郊外では酒看板や地元のぶつだん屋のローカル看板を見つけるが、忘れた頃に出てくるというロケーションで、ハンドルを握る時間が長くなってきた。

探検レポート96

寅さん映画のロケ地になった伊根の集落は時間切れでパスし、与謝野町の海岸沿いから宮津市に出て、旧道の集落に入る。
「菅公」「トーア毛糸」などを貼ったミニ看板屋敷や地酒の醸造元で酒看板をゲット。気をよくしてそのまま海岸沿いを進み、福井県小浜市に出た。
小浜は何度も訪れているが、市内をじっくり探したわけでなく、偶然入り込んだ旧道で廃業した雑貨店を発見。
軒下の四方の柱には「ニッサン石鹸販売店」の看板が4枚貼られ、マンションやしゃれた住宅に囲まれているにも関わらず、そこだけがぽっかりと昭和30年代の空気が溜まっているような、異質な空間であった。
帰路は琵琶湖北岸を木之本に抜け、関が原経由で戻った。
梅雨の中休みというのか、すっかり晴れ上がった青空に物言わぬ「ムヒ」や「ミツカン酢」の看板が、夏の日差しを反射しながら、うぶな娘のごとく控えめに主張しているようだった。
(2006.7.15記)
※画像上/城下町・出石町の目抜き通り。名物出石そばの店が何軒も並ぶ。但馬の小京都とも呼ばれている。
※画像下/京都府宮津市のハクレイ酒造で。蔵の仕込み道具が並ぶ。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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