琺瑯看板考現学
ローカル琺瑯看板の雨嵐
ホーロー探検を始めた当初は、メジャー系看板とローカル看板との区別がつかなかった。
いまだにどこで区切るのか曖昧であるが、あえて定義づけするなら地域限定の製造業、小売流通業、医療施設、観光施設等にしておきたい。
さて、このローカル看板、全国を探検して気づいたのは、東海地方、それも三重県に大変多く残っているということだ。面白いのは、“ゆりかごから墓場まで”を網羅していることである。
結納→宝石→貸衣装→婚礼家具・ふとん→結婚式場→産婦人科→ウバ車→仏壇屋…といった具合だ。
中でも「羽田」「マルモ」「北村」といった結納店の看板は、三重県内ではそれこそ100メートルおきにしつこいくらい貼られているから驚く。
結納店はおそらく全業種の中でも商圏がとてつもなく広いと思うが、こんなに多くの看板を貼って宣伝していたという企業努力に頭が下がる。
ローカル看板は撮りだしたらきりがないほど多く残っていると思われるが、すでに廃業してしまったスポンサーもあり、地域の今昔を知るには面白い資料となる。
今後の発掘が楽しみなカテゴリーといえると思う。