琺瑯看板探検隊が行く

醸造系~北陸東海(92)

醸造系北陸東海

北陸東海地方は江戸時代から味噌醤油の醸造が盛んな地域であり、脈々と受け継がれた歴史を持つ醸造メーカーも多い。ホーロー看板も多く残っており、蔵めぐりも楽しみな地域である。
愛知県は八丁味噌で代表される“味噌王国”で、アカマルみそやカクキュー、マンサンみそ等の看板を発見している。また、石川県金沢市大野は醤油蔵が連なるノスタルジックな風景が目を引く。この一角を歩くと、潮風に乗った醤油の香りが鼻孔をくすぐる。
※画像/愛知県(2015.8.30)

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石川県(12)

福井県(10)

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三重県(9)

ひとくちメモ

キッコージョ
城端醤油㈱ 富山県南砺市。1919年(大正8)創業。1合掌みそ・優選醤油を醸造。乳製品乳酸菌飲料を製造するホワイト食品㈱は姉妹会社。
旭醤油
旭醤油味噌㈱ 富山県小矢部市。
キッコーヤマナ
鍋喜醤油㈱ 石川県金沢市。1895年(明治25)創業。金沢大野の老舗醤油醸造も誌です。
ヤマト醤油
㈱ヤマト醤油味噌 石川県金沢市。1907年(明治40)創業。「カンチョウ」の由来は、タンスや茶棚などに付いている金属製の「取っ手」からとられている。
カンチョウ醤油
粟長醤油㈱ 石川県金沢市。1911年(明治44)創業。醤油の産地大野でひときわ目立つ蔵元です。
友千鳥醤油
紺市醬油 石川県金沢市。1892年(明治25)創業。初代の紺田市太郎にちなんで屋号を「紺市」としたという。蔵にはギャラリーも併設されている。
直源醤油
直源醤油㈱ 石川県金沢市。1825年(文政8)創業。大野醤油の最も古い蔵の一つ。
おや玉
(有)大屋醤油 石川県白山市。1877年(明治10)創業。白山の雪解け水による天然水を使用し醤油を作っている。
初鶏醤油
高田醤油店 石川県白山市。創業は明治期。醤油醸造元が多く残る鶴来町の老舗。そば屋も併設。
フンドーサクラ醤油
櫻井醤油味噌醸造元 石川県七尾市。詳細不明。
キッコーシゲ
浅井重政商店 石川県金沢市。大野にあった蔵だがすでに廃業したようだ。
数馬醤油(ヤマカ)
数馬酒造㈱ 石川県能登町。1869年(明治2)能登最古の歴史を持つ醤油蔵で清酒『竹葉』を醸造している酒蔵でもある。
サクラ醤油
谷川醸造㈱ 石川県輪島市。1918年(大正7)創業。輪島では古くから親しまれた醸造元。
マルイ醤油
井村商店 石川県加賀市。1907年(明治40)創業。「やっぱし、うまいがいね」のキャッチコピーで有名です。
ノシカネ醤油
近藤醤油味噌醸造㈱ 福井県鯖江市。詳細不明。
トウブ醤油
東部醤油㈱ 福井県越前市。創業200年以上の老舗。越前おろしそばのだし用醤油としても使用されている。
マルサン醤油
マルサン醤油醸造元 福井県越前町。マルサン醤油は渡辺醤油醸造元で造られていたようです。
カクウメ味噌
梅谷味噌醸造元㈱ 福井県坂井市。1853年(嘉永6)創業。ルーツは初代与三郎が創業した北前船の回船問屋にある。
ショーマンみそ
松萬産業㈱ 詳細不明。福井県敦賀市の創業75年以上の食料品店でホーロー看板を発見。
ヤマダイ醤油
山本醤油本店 静岡県内の醸造元だと思われるが詳細不明。ホーロー看板は白地と赤地の2種類があるようだ。
ヤマヤ味噌・ヤマヤ醤油
ヤマヤ醤油(有)静岡県浜松市。創業は江戸期。1977年会社設立。浜納豆が有名です。
亀屋醤油(ヤマシチ)
亀屋醤油店 静岡県富士宮市。詳細不明。
キッコーカツ味噌
㈱鈴勝 静岡県焼津市。1904年(明治37)創業。製塩業が盛んであった大井川吉永浜で創業。看板は岐阜県と山梨県で発見。
高嶺醤油・やままん醤油
明治屋醤油㈱ 静岡県浜松市。創業明治8年。“高嶺”は富士山のこと。高嶺ソースの看板も残っている。
大井川醤油
カネキチ㈱ 静岡県島田市。1893年(明治26)創業。大井川のほとりにある醸造元。
サンビシ醤油 
㈱サンビシ醤油 愛知県豊川市。1896年(明治29)三河醤油合資会社として創業。1961年サンビシ株式会社に商号変更。ホーロー看板は昭和30年代のものと思われる。
イチビキ味噌醤油 
イチビキ株式会社㈱ 愛知県名古屋市。1772年(安永元)愛知県豊橋市でみそ・たまりしょうゆの醸造業を始める。 1919年(大正8)大津屋株式会社設立。161年(昭和36)「イチビキ株式会社」に社名変更。「一引き(イチビキ)」は品質へのこだわりの象徴として、現在の商標の原型となっている。
キッコーナ味噌醤油・豆みそ 
キッコーナ株式会社㈱ 愛知県名古屋市。1688年(元禄初年)創業。創業300余年の歴史をもつ老舗企業。味噌・醤油の醸造から始まり、蒲焼のたれなどの液体調味料の製造をしている。
キッコートミ 
キッコウトミ㈱ 愛知県半田市。1892年(明治25)創業。半田ではミツカン酢と並ぶ老舗醸造メーカー。ホーロー看板のアイテムも多く、長野県内にまで広範囲に貼られている。
マルサン赤だし味噌 
マルサンアイ㈱ 愛知県岡崎市。1952年(昭和27)創業。八丁味噌で有名な愛知県岡崎市の味噌メーカー。
カクキュー八丁味噌 
(合)八丁味噌 愛知県岡崎市。1645年(正保2)創業。三州八丁味噌の代名詞ともなっている岡崎を代表する老舗。工場見学もできる。
まるや八丁味噌 
㈱まるや八丁味噌 愛知県岡崎市。1375年(延元2)創業。開祖、太田弥治右ェ門が現岡崎市八帖町に醸造業を始める。カクキューと並ぶ老舗八丁味噌メーカーである。
アカマル味噌 
アカマル味噌㈱ 愛知県田原町。1918年(大正7)創業。旧社名は野田醤油㈱。テレビCMで一世を風靡した味噌メーカーであったが、昭和40年代に混入物事件により倒産。
マンサン赤味噌 
㈱萬三商店 愛知県半田市。廃業時期不明。国登録有形文化財小栗家住宅として蔵の一部が運河沿いに残っている。樹齢150年の白モッコウバラも有名。
はとみそ 
㈱はと屋 愛知県西尾市。1861年(文久元年)創業。豆みそ、たまり、白しょうゆ、調味料を製造。蔵見学もできる。
カネニ味噌 
杉治㈱ 愛知県碧南市。13375年(大正3)創業。蔵は名鉄三河線碧南駅の南にあったが廃業により2008年に取り壊された。
七宝味噌醬油 
佐藤醸造㈱ 愛知県あま市。1874年(明治7)創業。七宝町がある木曽三川流域の濃尾平野には昭和初期の全盛期に20社を超える味噌・醤油の蔵元があったが、現在は佐藤醸造残すのみとなった。
マルタ西駒屋
(有)西駒屋 愛知県豊橋市。1909年(明治42)創業。東海道二川宿にある醤油味噌醸造元。建物は登録有形文化財に指定されている。
カクトウ味噌醤油 
カクトウ醸造 愛知県武豊町。1919年(大正8)創業。武豊の醸造メーカーが集中するエリアにある。
ミナミクラ味噌醤油 
南蔵商店㈱ 愛知県武豊町。1912年(明治45年)初代青木弥右エ門が創業。武豊を代表する老舗。
イヅマン味噌醤油 
泉万醸造㈱ 愛知県武豊町。1921年(大正10)創業。吉田重太郎吉田醸造所として創業。
ヤマイヅミ味噌醤油 
盛田㈱ 愛知県名古屋市。1665年(寛文5)創業。愛知県常滑市で酒造業として創業。1708年に味噌たまりの醸造を開始。『山泉(ヤマイヅミ)』の商標で親しまれた。
ヤマヤ味噌醤油 
(合)森弥商店 愛知県高浜市。すでに蔵も解体されています。ホーロー看板は岐阜県中津川市の中山道妻籠宿にある商店で発見。
宝山味噌・中定醤油 
(合)中定商店 愛知県武豊町。1879年(明治12)創業。蔵に併設された資料館には看板を始め、貴重な道具などの歴史資料が保管されている。
ヤマコノ味噌醤油 
味噌平醸造㈱ 岐阜県八百津町。1891年(明治24)創業。蔵は東濃地方の自然豊かな山深い里にあります。
キューボシ醤油 
下津醤油㈱ 三重県津市。1856年(安政3)創業。創業者下津利兵衛が津市一身田で醤油・味噌の製造を開始。
サンジルシ 
サンジルシ醸造㈱ 三重県桑名市。1804年(文化元年)創業。商標は伊勢湾に注ぐ木曽三川「揖斐・長良・木曽川」を表しており、桑名藩のご用商人として回船問屋を営んでいた頃の船の旗印として引き継がれている。
ヤマコ 
ヤマコ醤油㈱ 三重県四日市市。1801年(亨和元年)創業。旧社名の伊藤醤油部は1957年(昭和32)までなので、看板はそれ以前に作成されたと思われる。
油正味噌醤油 
油正㈱ 三重県津市。1869年(明治2)創業。津市久居本町にある酒蔵。清酒「初日」が酒の銘柄。2021年4月廃業
ヤマナ味噌醤油 
メーカー名詳細不明。三重県名張市。
玉みそイガゴエ 
伊賀越㈱ 三重県伊賀市。1873年(明治6)創業。昔ながらの天然醸造を行っている。
常盤味噌 
新宮醤油醸造㈱ 和歌山県新宮市。1919年(大正8)創業。看板は三重県内で発見。


Profile

つちのこ プロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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