ホーローの旅
レポート199 梅雨の中休み 福井日帰り探検
2009.6.27
石川県加賀市~福井県あわら市~福井市~大野市~勝山市
梅雨の中休みを狙って、福井を旅することにした。
早朝自宅を出て、北陸自動車道を北上し加賀インターまで3時間。移動にかかる往復の所要時間を6時間とすれば、日没までの日帰り探検で効果を出すのはぎりぎりだろうか。
ともあれ、このところ凝っている酒蔵めぐりや牛乳箱採集を加味して、できるだけ効率よく回ることにした。
まず向かったのが石川県大聖寺の町。これまでに二回ほど訪ねているが、お宝の匂いがプンプンする町並みにも関わらず、わずかに地酒の看板を一枚見つけただけに留まっている。
他にもお宝は潜んでいるような気がしてならなかったが、意外にも町の目抜き通りに、「キッコーマン」や「赤玉フトン袋」を掲げた看板商店があった。
読みが当たったことに気をよくして、県道140号線を南下し、加賀市塩屋町とあわら市吉崎町を探検する。
塩屋町では磯の香りが漂ってくる大聖寺川の河口に向かう小さな集落で看板商店を見つけた。
撮影許可を貰おうと店番をしていたおじいさんに尋ねると、 「看板?そんなモン、どこにあるんけ?」という返事。
赤銅色に焼けた顔に深いしわが刻まれたよろず屋のおじいさんは、看板と同じように、店と同化しているようだった。
塩屋町から大聖寺川を挟んで県境を越えた吉崎の町は、西に日本海、東に大聖寺川と北潟湖に挟まれた小さな町だが、江戸時代には北前船の航路として栄えた町らしく、小規模ながら歴史を感じる町並みが残っていた。
「タチヅル」の看板を下げた造り酒屋は、緩くカーブした道に沿った、そんな町並みにあった。家主に聞くと酒造を止めて酒屋に転業してから何十年も経ってるということだったが、いまだに酒蔵時代の看板を下げているのを見ると、強い思いれを感じる。
吉崎からは県道を更に南下し、三国港を経由して福井市に入った。
すでに何回も訪ねているエリアなので、新たな発見もなく、酒蔵と牛乳箱採集に絞った。 このエリアには「越前そば」の店が多い。
適当な店に入ってみるが、大盛りを頼んだ名物の「おろしそば」は値段ばかり高く、量も中途半端だった。
都会、田舎に関わらず、そば屋にはおごった店が多いので好きになれないが、「これでもか、食えっ!!!」というくらい、量も多く価格も安い店はないのか。
福井市内で4軒の酒蔵を撮影して国道416号線を勝山市に向かう。
清流・九頭竜川に育まれた勝山や大野には酒蔵も多く残っており、丹念に訪ねていくが、看板を貼った蔵は無く、期待通りにはいかなかった。
勝山市内の目抜き通りにある、醤油醸造元の松屋醸造に掛かる看板をようやく撮影することができた。
“ようやく”と書いたのは、前回訪ねたときが町を上げての祭りの真っ最中で、すごい人混みに押されて醸造元にたどり着くことも出来なかった。
そんな意味ではリベンジになったが、この看板を撮ったことに気を良くして、大野市に入ったときには、「清酒一本義」を造る蔵元である一本義久保本店に立ち寄るのをすっかり忘れてしまっていた。
大野を離れて帰路に選んだ郡上八幡に向かう道すがら、後になって気づくという体たらくであった。
とはいえ、本格的な夏を迎える梅雨の中休みに、ぶらりと福井を旅することができたのは収穫だった。
何よりも、一面の蕎麦畑や目に沁み込むような緑の水田、そしてレトロな雰囲気が漂う勝山や大野の町並みを見ることができたのが良かった。
(2009.9.23記)
※画像上/福井県吉田郡永平寺町の田辺酒造にかかる杉玉。「清酒越前岬」の札が下がっていた。
※画像中/福井県三国町で食べたおろしそば。辛味大根が強烈だった。 三国町「あおき」おろしそぱ大盛750円