琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート201 2009年真夏の長期ロード2 香川編

2009.8.2
徳島県徳島市~国府町~美馬市~香川県高松市~多度津町~善通寺市~琴平町~観音寺市~愛媛県四国中央市


探検レポート201

この夏の不安定な天候を象徴するかのように、徳島の空は雨になった。
どうやら、「梅雨明け十日」のジンクスはここでは通用しないらしい。
フロントガラスを強く叩く雨に辟易しながら、眉山を仰ぐ目抜き通りに出て、4軒の酒蔵を回った。
あまり期待してなかったが、その内の2軒の蔵で酒看板を見つけることができたのはラッキーだった。
今日のコースは、香川県の探検ポイントを効率よく回り、愛媛県に抜ける長丁場である。
鴨島町から脇町、美馬市へのコースは過去にも通っているだけに新たな発見はなかったが、このところ凝っている酒蔵の撮影を軸にして辿っていった。
香川県に入るとすっかり夏空が戻り、ジリジリと肌を焦がす陽気になった。ユニクロでTシャツと半ズボン、下着を調達し、あまり流行っていない讃岐うどんの店に入った。
洗濯するのが面倒なので、着替えはほとんど持ってこなかった。現地調達で衣服を替えて行くのも、いつものスタイルである。
香川といえばうどんだが、セルフのうどん屋でも手打ちと銘打っていれば、充分に旨い。むしろ、まずい店を探すのが難しいくらいだ。
「旨い、早い、安い」というファーストフードの原点が讃岐うどんにはある。
さて、今回の探検で香川県を訪ねた大きな目的として二つあるが、一つは酢の看板を見つけることである。

探検レポート201

和歌山県と並んで香川県は昔から酢の醸造が盛んな土地だが、中でも、吉野酢と仁尾酢はバリエーションもたくさんあり、出来るだけたくさんの違ったバージョンを見つけたい。
二つ目は看板屋敷の撮影である。近年になり四国在住の看板マニアの方々から香川県や愛媛県の看板屋敷の情報が多数寄せられてきた。
看板屋敷だけでなくレアなお宝を貼った商店も見つかっており、特に香川県については“看板不毛地帯”と形容されたイメージが払拭されつつある。
結果として、今回の探検ではいただいた情報もあり効率よく回れたことが奏して、高松で吉野酢、マンネン酢、仁尾町で仁尾酢の看板を撮り、更に多度津町、善通寺市で看板屋敷をゲットできた。
さてさて、予定通り香川県を走り抜けた“ひとり探険隊”のクルマは、夕暮れが迫る瀬戸内の海を横目に愛媛県に入った。
国道は仕事帰りの帰宅時間と重なって、渋滞がひどくなりつつある。焦っても仕方がないが、されど焦らずにはいられない。

探検レポート201

愛媛県でどうしてもこの目で見たかったお宝が、すぐ近くまで迫っているからである。 ようやく渋滞を抜け、目的のお宝がある場所に着いたときには日没寸前であった。
“笑う水原と由美かおる”のツーショット。しかも長方形のタイプというレアものである。
全国探してもほとんど残っていないお宝だと思うが、投稿者のろんださんから教えていただいた現物が、背の高い雑草に埋もれるのように建つ古びた木造家屋に燦然と輝いていた。
夕暮れのオレンジ色に染まった空に輝くお宝と対面した瞬間、ずっと焦がれ続けていた恋人に出会ったようで、胸がキュンとなるのを感じた。
すっかり暗くなった頃、西条市内にあるビジネスホテルに着いた。
途中のスーパーで仕入れてきたビールとお惣菜で一杯始めると、アルコールが胃袋に沁みわたり、400キロ近く走った一日の疲れがジワリジワリと浮き出てくるのだった。(つづく)
(2009.10.17記)
※画像上/飯野山。別名、讃岐富士と呼ばれる見事な円錐形の山。標高は422㍍。丸亀市から坂出市にかけてよく見えた。
※画像中/美馬市の酒蔵、司菊酒造で。 ※写真下/さといも畑に埋もれるように立つ看板屋敷。
※宿泊/「ホテル玉の家」 素泊り3250円。トイレ・バス付き。西条駅正面にある立地。駐車料金無料。設備、立地からしてコストパフォーマンスは素晴らしい。☆☆☆☆★



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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