琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート218 探検隊復活!三重県ホーロー探検

2010.2.28
三重県四日市市~鈴鹿市~亀山市~鈴鹿市


探検レポート218

「調子はどうだい!?」
「お互い、ずい分薄くなったなぁ」
久しぶりに会った、副隊長のあんもんとの第一声である(笑)。
近鉄富田駅で待ち合わせて、彼が運転するクルマに乗り込んでからも、一年半ぶりに再会したというのに、話題はもっぱら薄くなった髪や健康のことばかりであった。
何でも、今は水晶探しに凝っているということで、週末には岐阜県の山奥にある鉱山跡に出かけ、誰もいない山の中にテントを張って、発掘しているという。
自分のことを棚に上げてあえて言うが、彼もまた、どうやら“何かを探す”という行為が止められない悲しい性分のようだ。
お互い腰痛や頻尿を抱えている身である(笑)。久しぶりの探険ということもあり、無理せず、近場にしようじゃないかと、話は簡単にまとまり、まずは鈴鹿市へ向かう。
今回は投稿者のKiteさんから得た、鈴鹿市と亀山市の情報を持っているので、これまで調査していない道を選びながら走る。

探検レポート218

思ったとおり、出てくるものは三重県特有のローカル看板ばかりである。kiteさん情報の「シンガーミシン」を撮った後も、ローカル看板のオンパレードだった。
なかなか味のあるデザインのものもあるが、製作費をかけていないのか、色を使っていない陳腐なものが多い。
不思議なのは、結納店の看板が実に多いことだ。特殊な業界だけに商圏も圧倒的に広いと思うが、そんなに需要があったのだろうか。
看板製作に関わった当時の人たちに聞いてみたいところだ。
さて、復活したおとっぁん探険隊は東海道の関宿に入り、ぶらりと旧街道を歩いてみた。
何度も訪ねている町並みだが、来るたびに時代劇のセットを歩いている印象が強くなった。
建物が補修され、電柱が埋められたせいもあるかもしれないが、空や空間がやたら広く感じるのだ。
江戸時代からの宿場をキレイに美しく保存する意気込みは理解できるが、あまりに力を注ぐと、そこに住まう人々もちぐはぐな滑稽な状態になりはしないか。
生活とはかけ離れた“偽善の町”に住んでいるような錯覚に陥りはしないだろうか。
そのうち、紋付ハカマでチョンマゲを結っている人が出てこやしないか。皮肉な目でみているのではない、老婆心ながら、そんな気がしてしまう。

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関宿では老舗のクスリ屋で「味の素」の初期タイプや、ショーウインドに飾られていた「すや胃散」等を撮ったが、数年前に訪ねたときには、これらの看板はなかった。
今でもよく覚えているのだが、その時は朴訥そうな若旦那が、「先代がメーカーから貰って、一度も店先に貼らないままお蔵入りしてたんですよ」と言いながら、店の奥から「改源」の看板を出してきて見せてくれた。
レトロを演出する行為は、度が過ぎない程度に留めておいて欲しい。この店で長年にわたって使われた看板には、世の中の移ろいを見てきた貴重な錆が刻まれている。
ショーウインドに等間隔に並べられているよりも、黒光りする重厚な柱や、時を刻んだ入口の煤けた軒下にさりげなく貼られたほうがはるかに味が出ると思う。
“雨男”のあんもんとの探検は、いつも天気は大荒れと決まっていたが、そんなジンクスを破ったのか、この日はこれ以上ない青空が広がった。
しかし、やっぱりというか、期待は裏切らない!(笑)。
南米のチリで発生した大地震の影響で、津波警報が発令されたのだ。
最後は、海岸線近くを走る国道23号線を、ほうほうの体で逃げ帰ることになった(笑)。
(2010.3.22)
※画像上/東海道関宿。まるで時代劇のセットのような町並みだ。
※画像中/関宿の老舗薬局。ショーウインドーにホーロー看板がディスプレイされていた。
※画像下/四日市市の伊勢街道を歩く。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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