ホーローの旅
レポート23 尾張地区の商店街散策紀行
2005.4.16
愛知県江南市~一宮市~岩倉市~~北名古屋市~清洲市~名古屋市
サイトを立ち上げてから琺瑯看板好きの方たちと知り合いになれた。
うれしいことだが、反面、情報をいただく度に気になって仕方がない。すぐにでも飛んで行きたいくらいなのだ(笑)。他にも探検したいところが山のようにあるのだが、まずは“灯台下暗し”にならないように、近場からやっっけるのが常套だろう。
さて、今回は、いつも掲示板に投稿をしていただいている愛知県の看板マニア・るっちさんの情報を元に、江南~清洲の探検にチャレンジすることにした。
単独の探検なので、車にはいつものママチャリを積み込み、スーパーの駐車場にデポし、そこから商店街を中心に回るつもりだ。自転車の旅は、商店街の活気も斜陽も肌で感じさせてくれるに違いない。出来るだけ多くの人たちと接触し、お宝たちの謂れなどが聞けたら、きっと楽しいワンディになるだろう。
昼めしは、コンビニのおにぎりでも頬張り、のんびりと自転車を漕ぐ…こうして、尾張地方をめぐる小さなホーローの旅が始まった…。
江南駅前から探検開始。思った以上に、脇道や路地が入り組んでいる。古い民家と民家の隙間に小さな銭湯や商店街もあり、まるで何が飛び出すか分からないオモチャのカンヅメのようだ。日曜の午後だというのに、シャッターが下りた店もたくさんあった。
「富士えびす綿」や「ごきぶりホイホイ」などレアモノのお宝を次々とゲットしていく。
ママチャリで探検するのは思った以上に効率的だ。一方通行も関係ないし、キョロキョロしていても、不審者扱いされなくてよい。
「タケダいの一番」の黄色い看板がかかった雑貨屋さんで、店主と長話をしてしまった。なんでも戦前からの営業だそうで、この看板は昭和30年代のもの。夫婦ふたりで病気もせずに、仲良く店をやってこれたのが幸せだという。
別れ際に、「商店街の活気がなくなるのは寂しいが、君たちのような若い人たちが盛り上げてくれればいいんだけどなぁ」としきりにいっていた。
人影もまばらな一宮のアーケード街で見つけた、「ナショナル電球」がかかった電機屋さんもそうだった。 「昔は活気があったんだけどねぇ…」 どの町も商店街は斜陽化しているのだろうか。昔ながらの商店街が好きだという人もきっと多いはずだ。
…この日は一宮、岩倉、西春、清洲と、商店街をママチャリで回りながら、そんなことをずっと考えていた。
のんびりした日曜の午後。琺瑯看板を探す小さな旅は、普段あまり足を運ぶこともない商店街の“ありのままの姿”に少しだけ、触れたような気がした。
(2005.4.25記/2008.1.29加筆)