琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート28 兵庫・岡山遠征③~吉備だんごの里へ

2005.5.2
兵庫県上郡町~岡山県備前市~和気町~瀬戸内市~岡山市~早島町~玉野市~倉敷市


探検レポート28

遠征3日目は快晴、いよいよ岡山県に突入である。
昨日、雨のためパスした上郡町内を探検してから、三石町へ。山間の小さな町だが、琺瑯生息率は思った以上に高く、駅前ではいきなり電球男の大看板が出迎えてくれた。
三石からはレトロな建物も多く残っている和気、熊山、瀬戸、長船へとJR沿いに走るが、情報で仕入れていた狙いの看板屋敷はあとかたもなく、思った以上に開発が進んでいることを教えてくれる。
意気消沈していても仕方がない。ここからが探検隊の本領発揮と勝手に解釈して、岡山市では適当に当たりをつけて集落へ潜入。開業以来60~70年、閉店して20年は経っていそうな鍵が掛かった薬屋を覗くと、薄暗い店内にはカーテンごしに何やら看板が立てかけてあるのが見える。間違いなく、琺瑯くんだ(笑)。
副隊長のあんもんが棟続きの隣の家に行き、家人と交渉する。彼の努力が実り、私たちは何十年もの埃と、シロアリの羽アリが堆積している薄暗い店内に入ることができた。
暗さに眼が慣れてくると、そこにはレアモノの看板が並んでいるではないか!「わかもと」「ひや奇応丸」「たばこ」「ライト体温計」が息を静めて僕らをじっと待っていた。
「ライト体温計」はオオタ・マサオ著「懐かしき昭和30年代を訪ねて~琺瑯看板」(小学館)にも出てくるやつと同じものだ。たばこ看板も明らかに戦前モノである。
私たちは家人のおばあさんに話を聞きながら撮り続けた。ここにある看板は50~60年前からあるものだということを聞いて、またうれしくなった。
岡山市では、その後もオロナイン軟膏や戦前のたばこ看板を見つけることができた。地方都市とはいえ、都心から少し離れただけの場所で、こうした古い看板が眠っていることに改めて驚く僕らだった。
岡山市からは倉敷市の下津井を目指す。泉麻人・町田忍著『ホーローの旅』にはこの地のレポートが出ていた。

探検レポート28

町田氏の文章には、下津井の古い町並みで看板屋敷との感激的な遭遇を体験したことが綴られていた。これは僕ら探検隊の心をくすぐるには充分だった。龍野の看板酒屋に続いて、この看板屋敷に出会うことが、今回の旅の大きな目的のひとつでもあった。
国道沿いでも鉄道系の大看板をいくつか見つけて、気をよくして下津井の町に入った。瀬戸大橋の発着点の町でもある下津井漁港は、車の通りもほとんどなく、猫が道路の真ん中でのんびりと寝そべるような町だった。
なまこ壁の古い土蔵を横目で見ながらママチャリを漕ぐと、『ホーローの旅』でレポートされた写真の看板屋敷に到着。
しかし、すぐ横には新しい建物が建ち、ヱスビーカレーやコーラの看板が見当たらない。酒の看板が一枚だけ貼ってある。これにはがっかり、遠く500キロも走ってきたというのに…。
下津井が空振りに終わったこともあり、本日のねぐらを探しながら北上することに決める。金光町のキャンプ場で幕営した。
途中のスーパーで買ったしけたコロッケが見事に命中して、夜中に何度もトイレに行く羽目になった。(つづく)
(2005.5.16記)



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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SINCE 2005.3.17