ホーローの旅
レポート283 ごちゃまぜミニ探検17 2013年上半期編
2013.2.2-6.13
愛知県稲沢市~江南市、宮城県仙台市、北海道札幌市、函館市、山形県天童市、山形市、秋田県大仙市、岩手県一関市、青森県八戸市
半年に一度の目安でレポートする「ごちゃまぜミニ探検」も17回目となった。
2013年上半期のトピックスは、4月に仙台へ単身赴任したことによる、活動ベースの変化である。
東北と北海道がホームグラウンドになったことは素直にうれしいが、4月から6月にかけては生活環境と新しい部署での仕事に慣れることが先行して、計画的な探検がほとんどできずに終わった。
そんな中で撮りためた画像であるが、赴任前の2月に愛知県稲沢市と江南市を歩いた町名看板探しは特に印象に残っている。
今にも雪が降り出しそうな重く立ち込めた曇天の中、名鉄尾西線の丸渕駅から上丸渕駅の集落を歩いた。
いかにも古い火の見櫓を見ながら、春の芽吹きを待つ桑畑に続く静かな集落をのんびりと歩く。
見つけた町名看板は2枚。「中島」「芝原」の看板には旧祖父江町のスポンサー名が入っていた。 こうした看板が残っているだけでもうれしい。
年明けから血圧のコントロールができず、慢性的な肩こりと体の不調に苦しんでいたが、心なしか肩の力が抜け、体が軽くなったような気がした。
活動のベースを移した仙台では、4月の後半になっても天候がすぐれず、曇天と霧が覆う日々が続いていた。
週末になると、買い物や洗濯、アイロンがけといった慣れぬ家事の合間を縫って、相棒の折り畳み自転車を漕いで仙台市内の町名看板を探しに出かけた。
しかし、震災後の復興と開発が進む仙台にあっては厳しい実態が浮き彫りになるだけで、古い建物を見つけては目を皿のようにして看板を探してみたが、ほとんど空振りに終わった。
更に帰路には決まって体にまとわりつくような霧雨にやられ、意気消沈して誰もいないねぐらに帰還するのであった。
そんな中、久々にカラりと晴れた週末に切り撮ったのが北仙台駅近くにある看板屋敷だ。
雑草をかきわけ、屋敷が正面に見える線路脇の土手に登ってシャッターを押した。
「リスズミシン」と「レジノ鉄板」の横型タイプは初見だったが、ロケーションが悪く、屋敷の全体を写しても、看板屋敷のインパクトがないパッとしない画像となった。
また、5月連休には遊びに来たカミさんを誘って山形、秋田、岩手の観光地を回るドライブ旅行をした。
看板探しが目的ではなかったが、山形県の山寺近くで初見のクスリ看板を見つけたのはラッキーだった。
更に、5月以降は毎週のように北海道へ出張した。会社のメンバーと同行する車窓から看板を見つけては、クルマを止めて撮らせてもらった。
中でも札幌駅近くの酒屋に残る「寿味噌」「キッコー二ホン」「清酒千歳鶴」の3枚の看板は、2008年9月に訪ねた時には店の屋根まで覆う街路樹の陰に隠れて撮ることができず、それ以来ずっと気になっていた。
みぞれ混じりのあいにくの天気だったが、5月といえども歩道に雪が残こる札幌だけあって、街路樹に邪魔されることなく全貌を撮ることができた。
出張先のホテルから至近にある商店だけに、出勤前のわずかな時間で訪ねることができたのも良かった。
北海道でホーロー探検ができるチャンスは正直言って厳しいと思っていたが、出張とはいえ、こうしたカタチで再会できるとは思わなかった。
さて、新生活が始まった2013年、これから私のホーロー探検はどんな方向に行くのだろう。
まだ見ぬ新たなお宝との出会いを求めて、北の旅人として過ごしていきたい。
(2013.7.14記)
※画像上/山形県山寺。奥の院に続く参道には物言わぬ石仏が並ぶ。
※画像中/酒蔵が残る青森県七戸町を歩く。
※画像下/北海道函館市。吉田商店のスープカレー(やわらかチキンレッグカレー 880円)。癖になる旨さ。