琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート29 兵庫・岡山遠征④~ベンガラの町並みへ

2005.5.3
岡山県矢掛町~高梁市~総社市~岡山市~久米南町~美咲町~津山市~勝央町~美作市


探検レポート29

金光町のキャンプ場を後にし、矢掛町経由で岡山県の西のはずれ、成羽町を目指す。
実は成羽町についてはずっと以前から思い入れがあった。 成羽町の奥に吹屋という地区があり、ここにはベンガラで彩色された町並みがそのまま残っていると聞いていた。
今回の旅では琺瑯探し以外で多少道草をしてでも、そうした古い町並みを覗くことも目的のひとつなのだ。 吹屋地区は江戸時代にそのままタイムスリップしたような不思議な感覚を味わえた。まだまだ日本にもこうした町並みが残っており、それがそのまま生活の場になっているところが素晴らしい。琺瑯看板もずっと共存できるといいと思う。
成羽町からは高梁市に移動し、市内を自転車で回る。当サイトの常連投稿者のモリソンさんが以前掲示板に投稿されたノコギリの看板が気になっており、のんびりとママチャリをこぎながら探検。
目的の金物屋はすぐに見つかった。しかし、看板はガラス戸の内側にあり、反射してうまく撮影できない…そこは探検隊の本領発揮ということで、副隊長のあんもんが店主に交渉。
思わぬところで話が弾んで、店内の2枚の看板も併せて撮らせていただいた。 また、「ついひと月ほど前にも、看板を撮らせてという人が来ましたよ」ということを聞いた。おそらくモリソンさんのことだろうと納得。世間は狭い(笑)。
午後からは、美袋、東総社、足守、建部、福渡、神目、久米南…と琺瑯看板を追っかけていく。なかでも東総社の肥料屋は圧巻。20枚以上の看板がセミのようにびっしりと貼りついていた。 夕方になり津山市に入るが、市内が渋滞し始めたこともあり、あっけなくパスを考えた。しかし、幹線道路から一本入ると旧山陽道が通っていることに気づき、津山市川崎付近より左折。

探検レポート29

思ったとおり、歴史を感じる酒屋の店先に何枚もの看板が掛かっていた。 気をよくして写真を撮っていると、店の中から「琺瑯看板がお好きなんですか?」と若奥様が登場。
「そーなんです、お好きなんですよ、あなたみたいな人が…」(笑)。探検隊はどこへいってもバカをやっている(自爆)。
バカ話ついでに、若奥様と話が弾み、子供の頃に大雪が降ったとき、琺瑯看板をスキーやソリ代わりにして遊んだことや、岐阜県ナンバーの僕の車を見て、岐阜に旅行に行ってみたいことなど話してくれた。
そして若奥様曰く、「うちには自販機は似合わない」。なるほど、店先に置いた二台の自販機が店の威厳と歴史を軽くしている。それ以上に僕らが気になるのは、自販機の裏に隠れてしまった何枚もの看板だ。「今度来たときには自販機がなくなっていることを期待してますよ」…と勝手なお願いをして津山を後にした。
さて、さすがに探検も4日目になると疲れが溜まってきた。暑い日が続いたことでかなり体力も消耗している。風呂にも入りたい。
しかし、安宿を見つけるべく方々電話をするが、さすがにGWとあってどこも一杯。結局この日も小学校の校庭ビバークとなった。(つづく)
(2005.5.18記)

※写真上/岡山県高梁市吹屋地区のベンガラの町並み

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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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SINCE 2005.3.17