琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート296 ごちゃまぜミニ探検18 2013年下半期編

2013.7.15-12.23
北海道網走市、美幌町、厚岸町、幕別町、帯広市、福島県いわき市、愛知県豊田市、名古屋市、宮城県仙台市、京都府京都市、北海道函館市、神奈川県、東京都港区


探検レポート296

2013年の後半は日数をかけた大きな探検ができなかったが、出張ついでや久しぶりの帰省で立ち寄った物件を、小刻みにカメラに収めることができた。
7月から11月にかけては仕事で何度も北海道を訪れたが、別段意識しなくても、条件反射のごとく、移動中のクルマや電車の車窓から目を皿のようにして看板がある風景を探していた。
カメラを携帯していないので、スマホでの撮影になったものも多かったが、それでも看板を見つけた時の喜びには、いつも新鮮で心躍るものがあった。
これは看板探しを始めた9年前から変わらぬモチベーションでもあるから、自分のことなれど、素直に関心してしまう。
これまでの人生で、ここまで執着したものがあっただろうか…と思ってもみる。
おそらく、仕事もそっちのけで山登りに明け暮れた、10代後半から40代の心身ともに頑健だった時代を除いては一番長続きしている関心事ではないかと思う。
ホーロー探検はモノを探すという単純な行動なのだが、単純なだけにその魅力にはまったら抜け出せなくなる深みがある。

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どんな趣味でもそうだが、そこに、自分なりの面白味を見出してこそ、長続きするものだとつくづく思う。
さて話を変えて、2013年後半の“寄せ集め探検”で、白眉ともいえる出会いがあったので、記しておきたいと思う。
琺瑯看板考現学のコーナーの中で詳しく解説しているが、オロナミンCドリンクの看板の中で、70年代の人気アニメである『巨人の星』や『黄金バット』、『天才バカボン』等のキャラクターがデザインされているものがある。
その中でもとびっきりレアなキャラクターとしてプリントされているのが『ミラーマン』である。
もちろん、ホーロー看板を探し始めた当初からこの看板の存在は知っていたが、全国を巡ったこれまでの9年に渡る探検でも一度も出会ったことがなかったシロモノである。
9年間も出会えないということは、全国探しても一枚も残っていないのでは?と思っていたし、おそらくこの看板を見つけることは不可能だと諦めてもいた。
白眉ともいえる出会いは、日ごろから情報交換をさせていただいている群馬県在住の同好の士、TMさんから教えていただいた情報が発端であった。
根が小心者の私としては、情報を貰った瞬間からこの看板を一刻も早く撮影することばかり考えてしまい、その反面、看板が琺瑯狩りの手に落ちて、失くなりはしないかと気がきでなかった。

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年も押し迫ってようやくチャンスを得て神奈川県に向かい、無事カメラに収めることができたが、『ミラーマン』と対峙した瞬間には感動でシャッターを押す手が震えたことを覚えている。
これまでにもグリコの看板やペコちゃんの看板を初めて見つけた時の感動を覚えているのだが、この看板に関しては、長い間探していた初恋の人に出会ったような感動だったと付け加えておきたい。
ともあれ、仙台に単身赴任して活動エリアが広がったもの、仕事の忙しさからそれを十分に生かすことこができなかった一年となったが、『ミラーマン』との出会いは、最高のクリスマスプレゼントになったことは間違いない。
こうした邂逅はそうそう期待できるものではないが、東北での生活も2年目となる2014年はどんなお宝に出会えるだろうか。…今から楽しみである。
(2014.4.10記)
※画像上/愛知県豊田市。寺院の入口にある地蔵堂。町名看板がセミのようにさりげなく貼りついている。
※画像中/東京都内で日没になるまで看板を探す。
※画像下/東京下町の路地ではネコが井戸端会議の真っ最中だった。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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