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ホーローの旅

レポート312 昭和が匂う町、青梅を歩く

2015.2.15
東京都福生市~青梅市


探検レポート312

久しぶりに晴れ上がった週末、東京の青梅市に向かった。
今では町おこしとしてすっかり有名になった「昭和の街」だが、確かに町を歩くと、古い建物もそこかしこに残っており、シネマロードや昭和レトロ博物館、赤塚不二夫記念館もあって、見どころもなかなか多かった。
狙いのホーロー看板はわずかしか見つけることができなかったが、小春日和を楽しく過ごすことができた一日となった。
さすがに「昭和の街」を謳うだけあって、JR青梅駅を下りると、そこはすでに昭和の世界。駅のホームにある待合室には往年の映画のポスターが貼られ、駅舎に続く連絡通路には巨大な映画の看板が貼られていた。
駅を出て右に曲がるとすぐに狭い路地となった。針金フェンスとブロック塀に挟まれた人が一人やっと通れる路地には、『昭和の猫町にゃにゃまがり』のアーチを模った看板が。
なるほど、今にもネコがでてきそうな曲がりくねった路地が続いている。
二階の軒先から洗濯物が吊るされた木造の民家を仰ぎ見ながら、そこかしこにネコの看板やオブジェがある路地を潜るように歩く。 これはネコ好きにはたまらない。
最近町を歩とネコが気になってしかたがない自分には、こういうのは最高である。
ホーロー看板は見つけられなかったが、ネコの路地を出て、シネマロードに向かう。

探検レポート312

青海駅前の商店街である目抜き通りには、店舗の壁面に名画の看板がいたるところに貼られていた。噂通りのシネマロードである。
2年前に北海道夕張市で同様の風景を見たことを思い出した。映画のシーンを描いた絵が上手いのはもちろんだが、こちらのほうが遥かに規模も大きくて、街の雰囲気にもぴったりとなじんでいた。
次に、入館料350円を払って昭和レトロ博物館に入ってみた。ここにも映画の看板があったが、昭和時代に売られていた商品のパッケージが並べられており、懐かしくて思わず魅入ってしまった。 文
房具のコーナーでは、夏休みの宿題で使った昆虫採集のキットもあった。
昆虫少年だった小学生の頃、毎年のように夏祭りの露店で今は亡き祖父に買って貰った記憶がある。
キットに並んだ注射器やピンセットを見ると、懐かしさがこみ上げてきた。
また、ホーロー看板も数枚展示されていたが、中でも登録商標のコックさんが描かれた「オリエンタルカレー」の吊り下げ看板はこれまで実物を見つけたことがないだけに、じっくりと魅入ってしまった。
ちょうどこの日は第49回の青梅マラソンが行われるとあって、シネマロードを初め、駅前を通る青梅街道には歩道にロープが貼られて交通規制が敷かれていた。
ランナーが走る時刻には間があったので、古い建物が並ぶ青梅街道沿いを探検。

探検レポート312

わずかだが町名看板や練炭の看板を見つけることができた。
あまり期待もしていなかったが、青梅市と言えども東京である。古い町並みが残っていることも驚きだが、そんな建物の陰に隠れて、ひっそりと残るホーロー看板が何だか愛おしいものに思えた。
駅前のパン屋で昼食を調達して店を出ると、ちょうどマラソンランナーが私の目の前を韋駄天のごとく疾走していった。スピードにつられるように思わずシャッターを切った。
後で知ったが、カメラに収めたランナーは30キロの部の覇者になった長谷川選手(JR東日本)で、優勝タイムは1時間33分6秒だった。
(2015.6.28記)
※画像上/『昭和の猫町にゃにゃまがり』の狭い路地を歩くと、たくさんのネコのオブジェが迎えてくれた。しかし、肝心のネコには会えなかった。
※画像中/JR青海駅前のシネマロード。往年の名画の看板が商店の壁に貼られている。看板の絵もなかなか素晴らしい。
※画像下/目抜き通りをずんずん歩くと、レトロな商店や民家が軒を並べていた。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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