ホーローの旅
レポート315 麗しの美ら島へ、沖縄ホーロー紀行
2015.4.17-21
沖縄県本島~小浜島~竹富島~石垣島
人生初体験の沖縄。56年もかかったが、これで47都道府県全てを踏破した。
最も、沖縄以外は最低5回以上旅しているので、沖縄のハードルがいかに高かったと思う。
更にホーロー探検では唯一未踏の地として、いつかは沖縄で看板を探すことをずっと考えていた。
今回の旅は沖縄本島→石垣島→小浜島→竹富島と回るカミさんとの観光が主目的。レンタカーが旅の足になるので、車窓からホーロー看板を探すことも当然のごとく計画に組み込んでいたが、結果は思った通り厳しいものになった。
沖縄ではアメリカの統治下の時代が長く、内地のメーカーのホーロー看板を使っての広告戦略が根付いていなかったのだろうか。
離島を含めて根気よく探せば見つかるかもしれないが、いずれにしても次回訪れる機会があれば、再チャレンジしてみたいと思う。
沖縄での5日間は、前半が晴れ、後半は雨が降ったりのぱっとしない天気だったが、ホーロー探検のみならず美ら島・沖縄の自然をじゅうぶん満喫できた思い出深い旅となった。
▼沖縄本島編
気温は27度。空は真っ青で、とにかく暑い。道行く人々の姿は、短パンにTシャツ。足元はビーチサンダル。
つい昨日まで出張先の秋田で、コートを着て震えていたことが信じられない。 那覇に来てから首里城、国際通りと定番の観光地を歩いて、いよいよ本島のドライブである。
カミさんの希望で美ら海水族館に行くことになったが、道中で看板を見つけることができたらラッキーである。
那覇市内から国道58号線を北に向かう。万座毛から名護市内の海岸線は「これぞ沖縄!!」と叫びたくなるような素晴らしい海の青さである。
それにしても暑い。ハンドルを握る腕にも直射日光が照りつける。本州ではまだ桜の季節だというのに、まさか4月に真夏の体験ができるとは思わなかった。
小さな集落を見つけては脇道にそれて看板の姿を追う。しかし、まったく見当たらず、結局は情報を得ていた本部町まで撃沈状態である。
本部町の新聞販売店で「琉球新報申込所」を撮影。沖縄で見つけた第一号である。
続いて「キンチョール」の看板が貼られた商店。この看板は「エアゾール」のロゴが入っており、これは沖縄バージョンだろうか。
おそらく、本土復帰後の昭和40年代に貼られたものかと推測するが、珍しい看板である。
美ら海水族館に立ち寄った後、屋我地島、古宇利島と回り、名護市から宜野湾に抜けた。
途中でネットから情報を得ていた水原弘と由美かおるのアース看板がある商店に立ち寄ってみたが、店舗は改装の真っ最中だった。
工事業者に聞くと、つい一週間前から工事を始めたということで、文字通りタッチの差だった。
宜野湾市から那覇までのルートは、内陸の国道330号線を走ったが、古い民家をいくつか見かけるもの、車窓からはホーロー看板の姿を見つけることはできずに終了することになった。
▼小浜島
沖縄本島から450キロ、八重山諸島の中でも一番美しい島といわれる小浜島。
2001年放映のNHKの朝ドラ『ちゅらさん』の舞台となった島でも有名で、さとうきび畑やマングローブ林、沖縄独特の赤瓦の民家が並ぶ集落もあって、素晴らしい島である。
周囲16キロの小さな島なので、宿泊先のホテルから電動サイクルを借りて探検をしてみた。
島の中央にある小浜集落と西表島が目の前に迫る細崎の集落にペダルを運んだが、古い商店を見つけるものの、狙いの看板の姿はなかった。
▼竹富島
言わずと知れたサンゴと星砂の島。残念ながら土砂降りの雨の中の訪問となった。
竹富の集落にある「なごみの塔」から集落全体を俯瞰すると、まるでミニチュアの映画セットを見るようだった。
看板探しもできず、雨も激しくなり、早々に退散した竹富島だったが、咲き乱れる原色の花や島の子供たちの歓声が響いた静かな雰囲気に、晴れていれば天国のような島に違いないと思いつつつ、後ろ髪を引かれる思いで後にした。
▼石垣島
レンタカーで島内一周をした。観光8割、看板探し2割といったところだが、石垣市街で東芝の看板を見つけた以外は不発で終わった。
石垣島の見どころはたくさん。目が覚めるようなエメラルドグリーンの川平湾や、天然ヤシの群落、ハイビスカスが咲き乱れる玉取崎の展望台など、自然が素晴らしい島だった。
海岸沿いの集落はいずれも小規模で、台風被害を避けるためかコンクリートの頑丈な家屋が多いという印象をもった。
沖縄本島に次いで大きな島である石垣島であるが、石垣市の市街地は家屋も多く密集しており、まだ見ぬホーロー看板の可能性を感じることができた。
いずれにしても美ら島沖縄、宮古島や西表島等の離島を含め、いつかの再チャレンジを夢見たいと思う。
(2015.8.28記)
※画像上/沖縄一の観光地、那覇市首里城の付近の民家で。さすがに亜熱帯、美しい花が咲き乱れる。沖縄らしい風景。
※画像中/那覇市国際通りにある牧志公設市場。天井が高いアーケードの中に昭和レトロな商店が軒を連ねる。ラフテーや海ぶどう、沖縄そば等沖縄らしい食べ物も味わうことができる。
※画像中/小浜島の風景。サトウキビ畑の中を伸びるサトウキビロード。癒しの風景が展開する。
※画像下/小浜島の集落風景。石垣に囲まれていた。