ホーローの旅
レポート357 夏の終わりのいわきへ、一年半ぶりのホーロー探検
2018.8.26
福島県平田村~いわき市~古殿町~鮫川村~茨城県高萩市~福島県いわき市
一年半振りのホーロー探検である。
この間は自宅の建て替えに翻弄され、住宅メーカーとの打ち合わせから始まって、工事が進むに連れ赴任先の仙台と岐阜の自宅を行ったり来たり。ようやく完成し、晴れてホーローの旅に出れることになったのが、その真相である。
もっとも、家が完成しても、単身赴任の身には新築の我が家で過ごすことすら叶わぬ夢。 12月の定年までのあと数ヶ月を踏ん張らなければならない。
さて、あしかけ6年を過ごした東北。ホーロー探検については悔いがない程度に回ったつもりだが、心残りを挙げるとすれば、気になっているのに『鬼門』のような近寄りがたい存在となっていた福島県のいわき地方だ。
あの忌まわしき東日本大震災による原発事故で、甚大な被害を被ったエリアである。出来ることなら被災したエリアにも入ってみたいが、立ち入り解除が実現するまでは無理というもの。
今回は日帰りの小さな旅となるが、いわき市を目指してクルマを走らせることにした。 JR郡山駅でレンタカーを確保して、まず向かったのが平田村。原発があるエリアからも近いが、その影響はまったく感じないのどかな田舎の風景が僕を迎えてくれた。
のれんを模った『銘酒協和』の看板が軒先に貼られた酒屋は、すでに鬼籍に入ったのか雨戸が半分締まっており、休業?状態。自販機は稼働しているので、完全に閉店しているわけではなさそうだが、こうしたケースは地方ではよく見る風景である。
酒の看板以外にも軒先には切手郵便取り扱いの看板もかかっており、今となっては分からないが、往時はよろず屋のような存在だったかもしれない。
雷鳴が轟いたかと思うと不意打ちのような土砂降りの雨。ワイパーを最強にし、平田村から更に南進し、古殿町から鮫川村に向かう。
すでに2007年4月にトレースしているが、投稿者のとらのしっぽさんからいただいた情報もあって『ふくふく綿』や『コマツ味噌醤油』の看板を撮影することができた。
ストリートビューで見つけた茨城県高萩市の醤油看板を撮影したあと、最後の目的地、いわき市へ。
勿来には古い町並みも残っており、大いに期待したが、結果は撃沈。
結局、JRいわき駅でレンタカーを返すまで撃沈が続き、更に追い打ちをかけるような土砂降りの雨。
雷公から逃げるように帰路の仙台行き高速バスに乗り、夏の終わりの小さなホーロー旅を終えた。
(2019.5.6記)
※画像上/いわき市郊外で見つけた茅葺き民家。刈り取りを待つ田んぼの稲が揺れていた。福島県いわき市
※画像下/レトロな商店が軒を並べる鮫川村のメインストリート。