琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート365 朱鷺が棲む島へ、佐渡ふたたび

2019.4.30-5.4
新潟県上越市~三条市~新潟市~佐渡市~新潟市~富山市


探検レポート365

朱鷺の棲む島・佐渡へ7年ぶりの再訪をした。
今回はカミさん連れの観光旅行であるが、ちゃっかりとホーロー看板探しを組み込んでいる。前回の探検で見逃した看板があれば尚良いが、あれから7年も経っていれば、多くは望めない。
私が住む岐阜県から佐渡へ行くには、中央道~上越道~北陸道を経由して新潟市での前泊がアプローチとなる。島へ渡るには更にそこから2時間半のフェリーの旅になるから、いやはや遠い。
前日には上越インターで途中下車し、投稿者のとらのしっぽさんに教えていただいた「エトラランプ」が貼られた小屋や、「清酒朝日櫻」が貼られた屋敷を撮影できた。
新潟市内では町名看板の撮影に向かうが、ストリートビューでは確認できたものの、現地に行ってみるとすでに建物が取り壊され消失してしまった看板もいくつかあり、肩を落として初日の宿に入ることとなった。
とはいえ現金なもので、市内の居酒屋で名物の地鶏炭火焼に舌鼓を打ち、ほろ酔気分になってしまうと、すっかり看板探しのことは忘れて、次々に出てくる郷土料理を口へ運ぶことに集中するのだった。

探検レポート365

▼5月1日
年号が令和となった日、午前9時20分新潟港発の佐渡汽船カーフェリーで両津港に向かう。
2時間半の船上の旅であるが、鉛色をした日本海を眺めながら過ごす。
11時50分、両津港着。 前回の上陸時には港へ近づくにつれ迫ってくる、雪を抱いた山の稜線に感動したことを思い出したが、あいにく重く垂れこめた曇天とあって、山はすっぽりと雲に隠れていた。
先にも書いたが、今回のメインは観光なので、初日のドライブコースは定番の朱鷺保護センター→岩首棚田→小木港→宿根木→西三川ゴールドパーク…と流れていく。
小木海岸ではたらい舟に納まり、ゴールドパークでは欲に目がくらんだ表情で砂金採りのザルを振るった。
あまり期待はしてなかったが、そんな観光コースからあえて外れ小さな集落の脇道にハンドルを切ると、感が当たったのか、そこには忘れ去られていたような廃商店があり、崑ちゃんのオロナミンCの看板が申し訳なさそうにして板壁にへばりついていた。
こんな景色、そうそう見られるものじゃない。

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平成が30年を過ぎ、令和になったというから、レトロを通り越して化石のようになっている。
すぐ近くには海を望む棚田の丘が広がり、人知れずひっそりと佇む廃商店に昭和、平成、令和を生きたホーロー看板。
いやはや佐渡ヶ島、恐るべし。

▼5月2日
相川の宿を起点に2日目は佐渡の北海岸をドライブした。
佐渡一番の景勝地・尖閣湾がある北海岸は、前回の探検で回りきれなかったエリアであるが、鄙びた集落がぽつりぽつりと点在する海岸線をひた走るも、ついぞ看板の姿を見ることはなかった。
ただ救いといえば、レトロ感が半端ではない町並みの素晴らしさだろうか。佐渡で一番大きな町の相川でも、一歩通りを外れて路地にさ迷えば、そこには離島ならではの時間が止まったような空間が濃厚にひしめいている。
軒に干物が下がる民家の脇を、物欲しそうにな目を向けて猫がゆっくりと横切っていく。
佐渡市は佐渡金銀山を目玉に、近代産業革命の遺跡として世界文化遺産の登録を目指しているということである。

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これが実現すれば佐渡を訪れる観光客は増えるだろうが、ほんとうにそれでいいのだろうか。 私たちが忘れかけているレトロで稀有な風景は、何としても守らなくてはいけないように思う。
佐渡金山で出会った職員の方が、「自然、環境保護、生活あっての世界文化遺産登録です」とおっしゃった言葉が忘れられない。
時代が変わったからこそ、過去を遡って振り返る意義がある。
二度目の佐渡は、慌ただしく旅情を満喫したなかにも、“やすらぎと心の安定”を感じさせてくれた素晴らしい旅に仕上がったように思う。
(2019.9.27記)
※画像上/両津港近くのお花畑から雪を抱いた佐渡連山を望む。
※画像中/佐渡北回りコースの海岸線を行く。
※画像中/佐渡を代表するレトロな集落、宿根木の路地を歩く。観光客が増え、観光バスが何台も停車していた。
※画像下/佐渡北回りコースの観光地・尖閣湾で。
※宿泊/「国民宿舎海府荘」一泊二食1人10000円。尖閣湾を望む展望が良いロケーション。料理もボリュームがある。☆☆☆☆★ 



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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