ホーローの旅
レポート377 ごちゃまぜミニ探検25 2021年度編
2021.2.21-5.15
愛知県扶桑町、一宮市、あま市、稲沢市、蟹江町、岐阜県安八町、土岐市、静岡県浜松市、岐阜県関市
収まらないコロナ禍の激風に、文字通り吹き飛ばされてしまったホーロー探検。
2021年は探検へのモチベーションも上がらぬままに始まり、そして終わった。
日数をかけた探検は3月末の信州の旅と、長野県諏訪から東京日本橋まで歩いた10月の中山道の旅。 そして11月の沖縄本島の旅である。
中山道の旅はこのところ夢中になっている歩き旅が目的で、看板探しは二の次。旅の途中で見つけたものをカメラに収めたに過ぎなかった。
また、コロナが少し収まった時期に訪ねた沖縄もまったくの観光。
本島最北端の辺戸岬を目指してぐるりと回ってみたが、小さな集落や小さな商店にも一枚の看板の姿を見ることがなく旅は終わってしまった。
石垣島や小浜島などの離島も訪ねた過去の探検を振り返っても、おそらく沖縄は国内でも断トツの看板不作(不毛)県であると断言できそうだ。
これ以上ないほどの不遇な結果であっという間に終わった2021年、ごちゃまぜミニ探検のレポをまとめるのもおこがましいが、少ない成果なりに報告してみたい。
まずは、ようやく梅がほころび始めた2月に訪ねた愛知県の町名看板探し。
ストリートビューで見つけた扶桑町の町名看板は、実際にその場に立つまではほんとうに残っているのか半信半疑だった。
しかし、入り組んだ路地の古い民家の板壁にさりげなく貼られている看板を見たとき、嬉しさが込み上げてきた。
これまで何度も消失の場面に遭遇しているだけに、残っていたことが素直に嬉しいのだ。
この日は他サイトで情報を得ていたとはいえ、再撮影を含めて10枚の町名看板とトヨタミシンとトヨタ編機の初見看板を撮影でき、 日帰り探検としては久々のヒットだった。更に、蟹江町では古い家屋が残る一角を見つけたのも収穫だった。
コロナ禍とはいえ、ずっと自宅にこもっていてはいかに無職な定年オヤジといえども精神衛生上良くない。
ここ数年来、カミさんと足を運んでいる城めぐりの途中で見つけた看板屋敷も久しぶりのホームランといえるくらいの嬉しい発見だった。
今にも倒壊しそうな家屋の壁に千代田ミシン、トーア毛糸、イルガピリンなど5枚が貼られたパフォーマンスは、 屋根を突き破るぺんぺん草の愛嬌もあって、雰囲気抜群の看板屋敷だった。
次に訪ねるときまだ残っていたら嬉しいが、願わくは自治体による強制代執行の解体が行われないことを願いたい。
こんな異次元の建物、本音は有形文化財に登録して欲しいくらいだが…そうもいかないだろうなぁ。
(2022.4.9記)
※画像上/狭い路地が迷路のように張り巡らされた町を歩くと、重厚な黒土蔵がある家屋が並んだ一角があった。愛知県蟹江町。
※画像中/岐阜県で見つけたホーロー看板がある風景。そこだけがエアポケットのようだった。
※画像下/もとは商店だったのだろうか、山奥の集落で見つけた看板商店。