ホーローの旅
レポート398 秋のホーローウォーク2023【東京編】
2023.10.7-8
東京都大田区~品川区~世田谷区~杉並区~荒川区~豊島区~中野区~板橋区~北区~葛飾区
▼10月7日
川崎のカプセルホテルを出て東京都内に移動し、三日目のホーロー探検が始まった。
東京23区ではこれまでに16回の探検をしているが、いずれも交通機関を使って徒歩で行っている。
2012年からは都内に散らばる町名看板を中心に探し始めたが、年を追うごとに未撮影の看板も少なくなり、そのほとんどが最寄りの駅から遠く離れた場所に残る物件となってしまった。
徒歩を駆使しての探検としては歩く距離も延びて骨が折れるが、これをいつまでも残しておくわけにもいかない。 何度も書いているが、看板の消失に加速度がついてしまった今、撮影には一刻の猶予もないのだ。
今回の東京探検は、これまで躊躇していたこれらの看板を自らの足で一枚一枚訪ね、カメラに収めていくのが目的である。
さて、静岡からバトンをつないだ秋のホーローウォーキングの三日目の行動は以下となった。
川崎→蒲田→矢口渡~【矢口3-7】~矢口渡→多摩川→武蔵小山~【廃商店】~武蔵小山→目黒~【上大崎3-9】~目黒→渋谷→三軒茶屋~【下馬2-8】~三軒茶屋→桜新町~【新町1-27】~桜新町→渋谷→宮の坂~【宮坂1-15】~宮の坂→明大前→桜上水~【舟橋6-7】~桜上水→明大前→池ノ上~【三宿2-22】~池ノ上→永福町→久我山~【久我山3-19】~久我山→明大前→笹塚→岩本町→秋葉原→南千住~ビジネスホテル泊
思った通り、最寄駅から撮影する物件までの距離が長く、29594歩、19.23㎞も歩いたにも関わらず、狙いの町名看板は8枚を撮影するのがやっとの状況となった。
特に世田谷区内は交通の便が悪い位置にある物件が多く、一枚の看板を撮影し最寄り駅まで歩き、また違う駅に向かうということを何度も繰り返し、明大前駅に至っては三度も経由することになった。
そして、町名看板ではないが、この日の収穫として、武蔵小山の廃商店に残る雑誌の『婦人生活』の看板が貼られた風景が撮れたことが嬉しい。
ずっと以前からこの商店の存在は知っていたが、ようやく目の当たりにすることができた。
瀟洒な民家やマンションが並ぶ、周りの雰囲気からは明らかに異質な昭和レトロな廃商店が、雨風に耐えて取り壊されることもなく消失していなかったのが奇跡的である。
夕暮れが迫り、久我山で探検を切り上げて東京での定宿となっている南千住のホテルに向かった。
“泪橋”の近くのドヤ街にある三畳の部屋も、何度も泊まれば多少の不便も慣れてしまぅ。
この日は三連休の初日とあって都内のホテルが混雑していたのか、山谷の労働者と貧乏ツーリストに重宝されているこうした簡易ホテルさえも満室となっていたようである。
▼10月8日
天気予報は明日の雨を告げている。 東京二日目の探検は早朝から始まった。
行動ルートは以下である。
ホテル~【荒川4-52】~【荒川6-33】~京成町屋→日暮里→池袋→要町~【高松1-22】~【要町1-33】~要町→池袋→椎名町~【南長崎1-5】~椎名町→練馬→新江古田~【江原2-20】~新江古田→練馬~【中村南1-16】~練馬→中野坂上→中野富士見町~【和田1-39】~【南台3-18】~笹塚→池袋→地下鉄赤塚~【赤塚新町1-21】~下赤塚→池袋→浮間舟渡~【浮間2-2】~浮間舟渡→赤羽→秋葉原→新小岩~【西新小岩3-18】~【東新小岩7-24】~【東新小岩6-8】~【東新小岩4-6】~新小岩→秋葉原→南千住~ビジネスホテル泊
荒川区の2枚の看板はホテルから約3㎞を歩いて一枚目の物件へ。 庭木に隠れてチラリとした見えない位置に目的の看板があった。
荒川区の町名看板は黄色と緑地のツートンカラーで、都内23区内においてもこのデザインは他にはない。それだけ貴重な看板だといえそうだが、荒川区は住宅密集地で、しかも路地が迷路のようにれ張り巡らされており、目的の看板はそんなロケーションにひっそりと潜んでいた。
同じデザインの『荒川6丁目33』もしかり。どうしても見つけられずに路地の中をぐるぐるといったり来たり。(もう、ここまでか)と、あきらめかけた時に私の肩口のブロック塀に隠れるように光っていた。
午後を回り、秋葉原から新小岩に移動し、にわかに空が暗くなり小雨が降りだした中で4枚の看板を撮影した。
民家を覆う雑草の中に埋もれるような、最後の『東新小岩4丁目6』を撮影すると時間との勝負となった。
暗くなるまでに江戸川区役所近くにあるもう一枚を撮影したくて、ちょうどやってきた新小岩駅前行きのバスに乗車。
慌てていたのがいけなかったのか、持参してきた愛用の東京23区の地図を置き忘れてしまった。 新小岩駅から江戸川区役所を通る葛西駅方面行のバス停を探しているときに気づいたが、時すでに遅し。
地図を忘れたバスはすでに折り返し運転でもしたのだろうか、追っかけることができなくなってしまった。 地図については翌日、バスの営業所に連絡し、落とし物の確認をしたがついぞ出てくることはなく、そのまま諦めることになってしまった。
この日は結局、江戸川区役所の物件の撮影を見送り、そのまま連泊となる南千住のホテルに向かった。
小雨に煙るスカイツリーを見上げながら、南千住駅からの道をとぼとぼと歩き、息が詰まるような狭い部屋の住人となった。
どうやら雨は避けれそうもないが、横浜、東京23区での四日間の探検も無事に終わり、いよいよ明日からゴールの長野県下諏訪に向かう甲州街道の長い旅が始まる。
この日の歩数37618歩、距離24.45㎞
(甲州街道編につづく)
※画像上/久我山稲荷神社の秋の大祭を知らせる提灯。杉並区。10月7日
※画像中/荒川四丁目付近の路地。クルマも通れない迷路のような路地の奥に、目当ての町名看板があった。荒川区。10月8日
※画像中/JR常磐線に沿って荒川区の物件に向かう。荒川区。10月8日
※画像下/早朝の大田区矢口界隈。大田区。10月7日
※宿泊/10月7~8日「ビジネスホテルほていや」 素泊まり3600円。山谷にあるホテル。貧乏ツーリストには嬉しい価格。以前は素泊まり2800円だったが、値上がりしたようだ。☆☆☆☆★