ホーローの旅
レポート409 纏(まとい)リス看板を探して
2025.3.13、3.22
愛知県春日井市、豊田市
▼道樹山~弥勒山 2025.3.13
正月から続いているふらつき感が治らない。 固定化してしまったんだろうか。 地に足がつかないような、お酒に酔っているような、度が合わないメガネをかけてるような、そんなふらつき感が続いている。
めまいまではいかないが、気色悪いこんな症状はもう30年くらい前から度々あって、いつもなら長くても数日から一か月で治っていたが、今回はしつこい。
原因は分からない。 頭なのか、耳なのか、自律神経なのか。
15年くらい前に大病院の脳神経外科で検査してもらったら、異常なし。 水をしっかり飲んで、リラックスして過ごしなさいという診断。投薬もなしだった。
おそらく精神的なものと診断されたようだ。
どっちにせよ、早く改善させて4月に計画しているお遍路の準備に取り掛かりたい。
そんなブルーな気分を払拭すべく、こうなりゃあ、荒療治でもしてやろうかという意気込みで山歩きに行くことにした。 山歩きといっても、ハイキングに毛が生えたような低山で、愛知県と岐阜県の県境に位置する「春日井三山」と呼ばれているルート。
愛知県のJR中央線定光寺駅から桧峠を経て道樹山(429㍍)に登り、稜線伝いに大谷山(425㍍)、そしてゴールの弥勒山(437㍍)へ。 そこから折り返して定光寺駅まで同じ道を戻るという軽い登山だ。
距離にして17㎞ぐらいだろうか。 ふらつき感が無ければ、一気に登って下りてこれそうですが、まぁ、リハビリだと思ってのんびり行くことにした。
情報によるとルート中には纏(まとい)リスがデザインされた山火事看板も残っているということで、これを探しながら行くのも楽しそうだ。さて、どうなるだろうか。
JR中央線定光寺駅近くの土岐川にかかる橋の手前の県道沿いにクルマを止めて、9時35分に出発。
ちなみに定光寺駅までは自宅からほんの15分ほどの至近距離。 もう一つ言うと、こんな近くなのに、今回行く山は登ったことはない。“灯台下暗し”なのだ。
駅を後ろに、廃屋となってからずいぶん経った「旅館千歳楼」の前を歩き、9時45分に「歓迎 東海自然歩道春日井コース」のアーチを潜って、スタートした。
明治33年にできた旧国鉄中央線のレンガ造りの高架を潜り、右に登山道を登るとすぐに玉野御嶽神社がある玉野緑地公園に出た。 猫がのんびりと昼寝をする神社で参拝をし、桧峠へ向かう。
イノシシのヌタ場状態になった登山道を歩き、途中で林道を横切り鉄の階段を上がると、そこからけっこうな急登になった。 低山といえども、あなどれない。
火気に注意の看板や狙いの纏リスの看板も次々に出てくるので、スマホを向けていくのが楽しい。
再び林道に出て、しばらく歩いたところが桧峠だった。 そこから道樹山までは木の階段や鉄階段、更に急登と、なかなかきつい登りを行く。
立ち止まるとふらつき感が増してバランスを崩しそうになるので、ここは一気に登り、11時30分にお堂がある道樹山に到着した。頂上でも纏リスの看板を見つけたが残念ながら保存状態が悪かった。
木立に囲まれた頂上はまったく見晴らしがなく、冷たい風が吹き抜けるので、お堂の脇に腰を下ろして休憩。
ここまで休むことなく登ってきたので汗びっしょりだ。 どん臭いことに、タオルやハンカチを忘れたので、滴る汗をぬぐうこともできない。 もう一つ言うと、この日は免許証と財布も忘れてしまい、定光寺までの途中で気づいて、自宅へ取りに戻るヘマまでしている。
気が抜けているんだろう。 こんなんで山に登るというから、我ながら呆れる。
道樹山頂上で、カップ麺とおにぎりの昼食を摂り、20分ほど休んで大谷山に向かう。
コース中にも山火事看板はいたるところにあった。
大谷山12時到着。 そこからロープが張られた急な登りを一気に越え、12時15分にゴールの弥勒山頂上に到着した。
大谷山までは誰にも会うことはなかったが、さすがに弥勒山は人気のようで、平日というのに10名ほどのハイカーで賑わってた。
ハイカーたちは、モンベルのヤッケや高価そうな登山靴でバシッとしたスタイルで決めている。 かたや使い古したヨレヨレのウインドブレーカーと普段着のズボン、月星のスニーカーというありあわせの格好で登ってきた私が何だか場違いのようだった。
頂上からの展望は、天気が良ければ雪を被った御岳山が見えるということだったが、あいにくの薄曇りで、眼下に広がる高蔵寺ニュータウンの街くらいしか見えなかった。
ザックに担いできたサーモスの湯でコーヒーを溶かし、20分ほど過ごして下山を開始。
下山は往路をそのまま戻るだけなので面白味はないが、見つけそこなった看板を探すのも楽しい。
薄日も差してきたし、人にも遭うことなく、快適に下った。
大谷山を過ぎた道標に定光寺まで220分という表示があり、これにはびっくり。
行きに1時間30分くらいで登ってきたのに、下山に3時間40分もかかるわけがない。 まったく信用できないコースタイムだった。
帰路は休むことなく、定光寺の登山口のアーチまで駆け下り、 14時25分到着。 弥勒山頂上から1時間50分だった。
せっかくなので、昔何度も通った「定光寺ロックガーデン」まで足を延ばし、フリークライミングの練習場を見学して帰途に着いた。
のんびり歩こうと思っても、根がせわしいのか、体調の悪さも気にせずに登って下りた。 纏リスを含めた大量の山火事看板を撮影できたのが何よりの収穫だった。
家路に着くとふらつき感は相変わらずで、さらに全身筋肉痛の追い打ち。 風呂に入って、それこそ倒れるように寝た一日の終わりだった。
▼猿投山 2025.3.23
正月から続くふらつき感は慢性化したかもしれない。
特に寝起きのふらつきが強い。椅子から立ち上がったり、コンビニやスーパーの明るい店内、本屋の棚を眺めたりするとふらつき感は増すが、自宅で過ごす日中は気にしなければ問題はない。
ふさいでいても仕方がないので、カミさんを誘って“荒療治”第二弾の山歩きに行くことにした。
道樹山~弥勒山を歩いた前回の登山で味をしめたので、ここでもあわよくば山火事看板を見つけようという目論みである。
山といっても低山なので、登って下りてほんの5時間の遊びだ。
今回目指した山は、愛知県の豊田市と瀬戸市にまたがる標高629mの猿投山。
原生林が多く残され、安全な山道が整備されているため人気の山みたいだ。
土曜日とあって、登山口には多くの登山客がいた。 ここには“クマに注意”の看板が貼られていたが、これは残念なからホーロー製ではない。
猿投神社から300メートルほど上がった登山口の駐車場にクルマを止めて8時50分に出発。
15分ほど林道を歩いて、御門杉がある場所から登山道を登り出した。
猿投山頂上にはあっという間で、10時30分到着。 途中には休憩所があったり、猿投神社の東の宮があったり、展望も含めて楽しめた。
山頂は木々に囲まれて展望は今一つだったが、多くの登山客で賑わっていた。
下山ルートは赤猿峠から沢に沿って血洗いの滝に下り、林道を歩いて西の宮、そこから登山道を下って13時に駐車場に帰還した。
帰路には猿投神社に立ち寄って参拝。 天気に恵まれて、気温も20度まで上昇。気持ちの良い山歩きをすることができたが、ホーロー看板については低調に終わってしまった。
それでも愛くるしい纏リスの看板を3枚撮影することができたので良しとしよう。
翌日はやっぱり筋肉痛。 年ですね~。
※画像上~3枚目まで/登山道には山火事看板がいたるところにあった。3月13日 道樹山~弥勒山
※画像下/猿投山の登山道を登る。春のポカポカ陽気が気持ちよかった。3月22日 猿投山