琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート62 巨人の星との遭遇! 富山県感激紀行

2005.10.9-10
富山県~富山市~砺波市~高岡市~射水市~立山町~上市町~滑川市~新潟県糸魚川市


探検レポート62

前週の能登半島探険で、天候不良とモチベーション低下により一日早く帰宅したこともあり、その続きを埋めるべく、富山県への再訪を決めた。
一日目は岐阜県高山市から41号線を北上して猪谷に入り、八尾経由で高岡泊まり。二日目は富山市から海岸線に沿って新潟県に入り、糸魚川から大糸線沿いを南下し、豊科から中央道で帰宅するというコースである。
今回もひとり旅、そして雨の予報が気になったこともあり、軟弱にもビジネスホテルを予約しての800キロの旅となった。
早朝、自宅を出て東海北陸道経由で高山を目指す。標高1000メートルを超える清見村付近はすっかり秋の装いで、肌に触れる風も冷たかった。
神岡を過ぎいよいよ富山県に突入すると、改めて遠くまで来た気持ちになる。猪谷駅付近で看板屋敷を見つけるが、残念ながら建物の邪魔になり撮影ができない。学生服、殺虫剤、家電の看板が5枚貼られているだけに悔しかった。
次に大沢野町を通って八尾町に入るが、ここは期待していただけに完全に肩透かし。「風の盆」で有名な町だが、観光に力を入れているようで、不自然に町並みが整備され、ホーロー看板はまったく見当たらない。
その上、石畳の町並みには観光客も多く、車ではじっくり探すことができない。いつものように自転車作戦に変更して、路地から路地を回っても結果は同じだった。
ここまで収穫らしいものはなく、このまま撃沈の予想が脳裏をよぎる。気分転換に「BOOK OFF」に入り、棚をしばらく眺め心を落ち着かせた。
砺波市に入ったところで、ようやく初物の綿の看板をゲット。これで少しは弾みがついたのか、初日のねぐらである高岡駅周辺でも何枚か見つけることができた。
さて、今回は公園ビバークをやめてホテル泊まりにしたが、インターネット予約で料金は1泊3500円(「ホテルアルファー1高岡駅前」)だった。このホテルは激安料金の割りには部屋は広くきれいで、設備もよかった。近くのスーパーで酒とお惣菜を買い込み、久しぶりに快適空間で眠ることができた。

探検レポート62

2日目、いつものように6時過ぎに出発。小杉経由で富山市を目指す。北陸本線沿いに看板屋敷を探しながら走るが、富山市は思った以上に大きな街で、交通量も多く、看板屋敷などとてもあるように思えない。
このまま滑川に出ることも考えたが、立山町や上市町が気になり、遠回りだが寄道することに決める。
結果的にはこの迂回は正解だったようだ。立山や上市はその昔、山登りで何度も訪れた愛着のある町だが、駅前はすっかり雰囲気が変わっていたにもかかわらず、路地に入ると古い板壁の家屋はまだまだ健在だった。そして、思ったとおりじっくり探すと、薬や履物の看板を見つけることができた。
再び富山市に戻り、今度は滑川市を探険する。広大な田んぼを貫く見通しがいい一直線の道路で、看板屋敷と看板商店を発見。
商店のほうは、うれしいことに巨人の星イラスト入りのオロナミンCだ。さらにこの商店には、たばこのレアモノやアデカ石鹸、ロイヤルクラウンコーラの看板があり、特上クラスの商店であった。
気をよくして、更に滑川市内の中心部でお宝をたくさん貼り付けた薬屋や肥料看板を次々にゲット。これで打ち止めにしてもいいくらいだったが、先は長い。このまま海岸線に沿って、新潟県糸魚川を目指す。
雨が降り出したこともあり、黒部市や入善町はほとんどパス状態で通過し、親不知のきれいな海岸線をのんびりと走る。
糸魚川市の中心部はかなり念入りに探すも、まったくお宝の姿を見ることができず、郊外の大糸線沿いの集落で、綿と麦のお宝を見つけたのが唯一の収穫だった。
帰路は信濃大町経由で豊科ICから中央道にとることにするが、期待していた小谷村や大町市内では一枚も見つけることができなかった。
しかし、20年ぶりで南小谷から栂池までの「塩の道」を走ったことが、今回の旅での癒しとなった。
(2005.10.15記)
※画像上/新潟県青海町のヒスイ海岸



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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