琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート67 風花舞う上州へ、群馬県紀行 後編

2005.11.20
群馬県昭和村~沼田市~川場村~沼田市~中之条町~高崎市~安中市~長野県軽井沢町


探検レポート67

早朝、藤岡市(藤岡第一ホテル)のホテルを後にする。
清潔で快適な空間だったが、冷蔵庫が無く、買ってきたビールを冷やせなくて閉口した。生ぬるくなる前に飲まなくてはならないから、ピッチが上がって、その分酔いも早いのだ(笑)。冷蔵庫は何もビールを冷やすだけのモノじゃないので、衛生面を考えるまでもなく、冬はともかく夏は困るだろう。当たり前の設備がついていないだけのことで、ホテルの評価を落とすのはもったいない。
藤岡インターから関越道に上がり、昭和村を目指す。赤城インターを越えると、前方に見える山は真っ白く雪化粧していた。前回の遠征は赤城村(現・渋川市)で折り返しているので、これから先は、文字通り未知の領域なのだ。 昭和インターで下りて、アタリをつけながら県道、国道、バス路線と縦横無尽に走った。
琺瑯生息率は決して高くはないが、昭和30年代にタイムスリップしたようなよろず屋や酒屋を見つけたり、年代モノの木造の納屋がど~んと出てきたり、なかなか雰囲気がある村だった。
昭和村からは白沢村(現・沼田市)経由で川場村に入ったが、なんと雪がちらほらと降ってきた…と、見る見るうちに本降りとなってしまった。
私にとっては初雪である。うれしいのか悲しいのか分からないが、この状況は看板探しには不向きに違いない。足回りはスタットレスに換えていたので心配はないが、せっかく見つけた看板がうまく撮影できるかどうか不安だ。

探検レポート67

村はずれの辻で、肥料系の看板をこれでもか、と貼り付けた感激的な商店を見つけたが、果たして、心配どおりになってしまった。レンズは曇り、雪の粒まで写っている。何度もレンズを拭きながら撮影した。
しかし、その雪も標高が低い沼田市に下りてくると、パッタリ止んだ。水上方面の山々は真っ白になっている。天候次第では新潟を抜けて上信越道を帰路に選ぶことも考えていたが、この雪ではとても無理だ。またひとつ来年の宿題が増えてしまった。
沼田からは上州特有のカラカラに乾いたような中途半端な色づきの山々を眺めながら、四万温泉、沢渡温泉と看板を探しながら巡った。
沢渡温泉では、昭和のオモチャや看板のコレクターとして有名な「山水荘もりや」のご主人を訪ねた。
いきなりの押しかけだったにも関わらず、ご親切にその膨大なコレクションを見せていただき、群馬県内の情報をやりとりし、後日メールの交換を約束して分かれた。
すでに午後2時を回り、ぼんやりとした初冬の陽射しに揺らめきながら、ひとり運転を続けた。榛名町から松井田町、そして、ひたすら下道を軽井沢へ。旧国道18号の九十九折の道を山間を縫う鉄道に沿って走った。
小諸から丸子町、上諏訪と更に下道をひたすら辛抱強く走り続け、中央道岡谷インターに上がったのは、山の端にとっぷりと日が沈んで、一番星が輝きだした頃だった。
二日間で950キロを走ったひとり旅は、こうして終了した。(おわり)
(2005.12.5記)
※画像上/碓氷第三橋梁(群馬県安中市)



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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