琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート70 アグネス・チャンと遭遇、奈良県新春の旅

2006.1.8
奈良県大和郡山市~安堵町~川西町~橿原市~大和高田市~田原本町


探検レポート70

新しい年を迎えた。この一年やみくもに琺瑯看板を追っかけてきた。
今年もエンジンフル回転で看板探しをしたいと誓うも、暮れに体調を崩してしまい、ナーバスな正月を迎えた。
これからは体調とにらめっこしながら、「フル回転」→「マイペース」に軌道修正していくことにした(笑)。何事も“やりすぎ”は身体によくないようだ(汗)。
さて、今年初めての遠征をどうするか、副隊長のあんもんとさんざん思案して考えたコースが奈良県での探険。
私たちのホームグランドである岐阜県や愛知県、三重県、滋賀県は、この冬に限っては雪が多くて手が出せない。雪の無いエリアとなると近場ではどうしても関西方面となってしまう。
幸いにして、関西はまだまだ未知数である。この冬一番のターゲットとして、奈良県、大阪府、和歌山県に足繁く通うことを目標にした。
いつものように近鉄富田駅であんもんと合流し、雪が舞う中、東名阪を天理市へ。大和郡山市をかすめるように安堵町に入った。

探検レポート70

目的の看板酒屋はすぐに見つかり、幸先がいいスタートを切ることができた。 次に橿原市に向かうことにするが、適当に入り込んだ途中の路地で看板酒屋発見。
ミツカン酢や初バージョンのキッコーマン、酒や焼酎の看板がきちんと並んでいる。保存状態も素晴らしく、最近にないパフォーマンスである。更にそこから数百メートル移動した文房具屋で、今度はシェリーのサクラフィルムを発見。ぜひ見つけたかったお宝である。
何を隠そうシェリーは私たちと同い年のアイドルで、高校生の頃にはめちゃくちゃ人気があったのだ。
といっても、どんな曲を歌っていたのかは、これっぽっちも覚えていない(笑)。あれから30年が経ち、今はいいお母さんでもしてるんだろうか。
私たちは酒看板商店とシェリーに気をよくして、橿原市に向かった。耳成山がよく見える葛本町に寄ったあと、市内でも有名な観光スポットである今井町へ。
ここは江戸時代にそのままタイムスリップしたような不思議な街並みだ。車を無料駐車場に置いて、パーカーとマフラー、毛糸の帽子の重装備で探険開始。
小さな町なので、あんもんと南北にエリアを分けて別々に歩くことにした。といっても、路地から路地をくまなく歩くと結構距離があり、小雪が舞う中、看板を探しながら歩いた。
琺瑯看板はほとんど無かったが、町田忍著『懐かしの家庭薬大全』に出ていた「みみづのくすり」製造元を見つけたのはラッキーだった。

探検レポート70

行動半径が狭いが、探険最後の仕上げは奈良県の小さな町。ここは古い町並みが点在しているが、いずれも規模は小さい。情報もないので、適当に町を走ると、いきなり年季が入った酒屋が目に飛び込んできた。入口の自販機の裏には酒看板がずらりと並んでいる。
今日3つ目の看板商店だ。 撮影許可を貰うため店内に入って更に驚いた。なんと、壁からは昭和時代のポスターや女優の額がびっしりと飾られているではないか。
中でもサイコーなのは、アグネス・チャンの垂れ幕である(写真)。ミニスカートにロングヘア、これは間違いなく「ひなげしの花」や「草原の輝き」を歌っていたころのイメージだ。
帰宅してから調べてみると1972年のヒット曲というから、かれこれ34年も前のものだった。 他にも和泉雅子の額に入った酒ポスターもあり、昭和の雰囲気を頑なに守っていることに感動をして店を後にした。
いつものごとく、天理市に出るまではしつこい渋滞に捕まってしまったが、2006年初めての新春探険は充分満ち足りた気分で終えることができた。
さて、今年はどんなお宝に出遭うことができるだろうか。楽しみ、楽しみ。
(2006.1.18記)
※画像上/アグネス・チャン。1970年代初めの広告物だと思われる。※画像中/今井町の町並み



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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