ホーローの旅
レポート73 美空ひばり再開! 大阪、京都撃沈の旅
2006.1.29
奈良県奈良市~大阪府東大阪市~京都府八幡市~木津川市~笠置町
暦上ではもうすぐ立春だが、本当の寒さはこれからが本番だ。それを証明するように、駅のホームに下りた途端、吐く息が真っ白になった。
マフラーを巻き、両手をパーカーのポケットに入れて猫背で歩く僕の傍らを、ヒラヒラのミニスカートに生足の女の子たちがはしゃぎながら改札を抜けていく。若いってことは、いいことだね。
おじさん探検隊は東名阪から天理を経由し、奈良市に向かう。カーステレオからは中途半端なおじさんたちの定番ソングである、谷村新司が流れている。私たちよりもう少し上の世代は演歌だろうか?
「サライ」を口ずさみながら、古い町並みを探しつつ車を進めるが、早くも奈良県特有のとんでもなく狭い道で右往左往してしまった。
戻るに戻れず、進むこともできず、両側に側溝という道。助手席の私は何度も降りて、あんもんを誘導する。
私たちがこれだけ苦労しているのを尻目に、地元車はその脇をスイスイ行ってしまう。恐るべし、奈良県のドライバー(笑)。
結局、奈良市では収穫はなく、東大阪市に向かう。当サイトと相互リンクしている「サムの趣味のお部屋」の管理人であるサムさんから教えていただいた、「美空ひばりの金鳥」を撮りに行くのだ。
とある神社の参道で商売をしている古い雑貨屋さんの軒先に、僕らにとって2度目の遭遇となった美空ひばりがにっこり微笑んでいた。あまりにも無造作に貼られているので、ついつい心配になって女主人(?)に聞いてみた。
「あの看板、欲しいという人いるでしょう?盗られちゃうよ」
「誰も盗ってかんわ。ずっと昔からあのままなんや」
30年も前のアイドル・松本ちえ子のバスボンシャンプーの広告物(写真)や、20年も前のデザインの洗剤が雑然と並ぶ雑貨屋さんの女主人(?)はあくまで天真爛漫だった(笑)。
午後からは枚方市経由で京都府に突入。「ライオンかとりせんこう」の別バージョンや「ボンタンアメ」を狙った枚方市であったが、一枚も見つけることが出来ず、渋滞が続く国道1号線をひたすら走り、八幡市の京阪本線沿いのポイントに着いた。
ここもサムさんのサイトで情報を得た場所だ。予定通り「マルキン」はゲットしたが、「ケイコー糊」は最近になって貼られていた土蔵が改修されたこともあり、はずされて地面に立てかけてあった。
八幡市からは宇治市~城陽市~山城町~木津町と看板を探しながら南下した。谷村新司は中森明菜に変わり、今度は「少女A」を口ずさんでいく。うーん、あの頃、俺たちは若かった~(笑)。
結局、撃沈状態のまま、加茂町まで来てしまった。すでに16時を回っていることもあり、日没までの一時間が勝負だ。帰路は笠置町から伊賀上野に出て東名阪と決めていたので、時間が許す限り、加茂町を探検することにした。
加茂町は古い町並みが広範囲に残っており、いかにもお宝が棲息しているような条件である。日曜とあって、閉めている商店が多かったのは残念だが、鍵がかかった窓越しに家畜のくすりや豆炭の看板を見つけた。
また、造り酒屋もあり、「日本桜」という素晴らしいネーミングの酒看板をゲット。 一日費やした割には収穫は少なかったが、欲を言えばキリがない。
美空ひばりとの再会が実現しただけでも、いい探検になったと言っておこう。
(2006.2.12記)
※画像上/冬でも浴衣姿で微笑む演歌の女王・美空ひばり
※画像下/1980年代に一世を風靡したアイドル、松本ちえ子。彼女が出演したCM、牛乳石鹸の「バスボンシャンプー」は大ヒット商品となった。