琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート83 春真っ盛り、梅桃桜満開の静岡探検①

2006.4.8
愛知県豊川市~静岡県浜松市


探検レポート83

広島探検が終わってから、仕事が猛烈に忙しくなった。
その反動からか、琺瑯探検がしたいという気持ちが日々募るばかりである。週末が待ち遠しくて仕方がないのだ。手帳には当面の目標として行きたいコースを書き込んで、仕事の合間に開きながら、あれこれ考えつつニヤニヤしている(笑)。
出張続きの憂鬱な毎日と、週末の楽しい琺瑯探検…そんな正反対の日々を繰り返しながら、かろうじて心の平衡を保っているのだ。
静岡県の探検はこれまでも何度か行ったが、「静岡には琺瑯看板がない」という先入観からか、成果が出せていない。
昭和40年代後半に、石原慎太郎東京都知事が環境庁長官だった頃、鉄道沿線の風景に必ずといって眼に飛び込んでくる琺瑯看板を見て、「景観が損なわれる」という理由で、野立看板や琺瑯看板の貼り付けの禁止、撤去の促進をしたということがあった。これに賛同して県上げて取り組んだのが、静岡県だったという。
現在、静岡県内でほとんど見ることができないのは、そんな理由からだという。
鉄道沿線はともかくとして、草深い山奥の集落辺りには息を潜めてじっとしているお宝君がいるに違いない、そんなお宝君を掘り出せないものか…こうした仮説のもと、静岡県に出かけることにした。
早朝自宅を出て、東海環状自動車道から東名に乗り継ぎ、音羽蒲郡インターで下りた。静岡県に入る前に、どうしても立寄りたかった場所があった。愛知県御津町…以前から“臭い”“匂う”と睨んでいたエリアだ。
御津駅から目抜き通りを挟んで古い商店が寄り添うように並んでいる一角をざっと走っただけで、思ったとおり何枚かゲットできた。錆びてはいるが、黄金バットがプリントされたオロCもあった。
JR東海道本線沿線に出ると、今度は仁丹の看板が貼られた屋敷が。そして県道には金鳥…御津町はなかなか濃い町だった。
国道1号線に出て、豊川を経由して三ヶ日町に入った。平成の大合併で、三ヶ日町もこれから探検予定の引佐町も天竜市も、すべて浜松市に併合された。巨大な市ができ上がったのである。

探検レポート83

三ヶ日町はみかんの町として知られているだけあって、みかん畑が続く国道沿いのあちこちで無人販売の小舎をよく見かけた。カミさんへのお土産として、30個も入ったみかん1袋200円と、甘夏10個入り200円をゲットした(ご機嫌とることを忘れてはいけない ・笑)。
三ヶ日町から引佐町へ、奥浜名湖と呼ばれているエリアを走り、浜松市に入った。とあるサイトで、遠州鉄道沿いにある看板酒屋の存在を知り、同業の酒屋さんに聞いたりして1時間近く探し回ったが、すでに廃業されてしまったのか、結局見つけることができなかった。
再び引佐町に戻り、国道、県道と小さな集落をこまめに回っていく。山里には梅、桃、桜が一斉に咲き誇り、春真っ盛りだ。
入念に探すスタイルのローラー作戦が功を奏したのか、大塚系の看板を3枚貼った屋敷と遭遇したり、看板酒屋を見つけ出すことができた。 更に北上し、古い町並みが残る天竜市(現・浜松市)熊の集落を最後に、峠越えで愛知県に抜け自宅に戻った。
途中、黄砂混じりの強烈な雷雨にやられたが、濃紺のボディカラーの車が真っ白になることも構わず、2週間ぶりの琺瑯探検に充分満足し、走行距離380キロの日帰りドライブを終えた。
(2006.4.20記)
※画像上/春真っ盛り、ピンクや白の鮮やかなぼたん桜満開だった



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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