琺瑯看板探検隊が行く

ホーローの旅

レポート85 桜吹雪の南信州を行く

2006.4.22
岐阜県中津川市~長野県南木曽町~阿智村~飯田市~岐阜県瑞浪市


探検レポート85

『車中泊入門』(武内隆著・地球丸)という本を買った。
車中泊とは、宿に泊まらずに車の中で寝起きして旅を楽しもうというスタイルだ。私たち探検隊はテントで野宿が普段のやり方だが、最近は軟弱になってきたこともあり、単独の場合や冬の間はもっぱらビジネスホテルを利用している。
雨の日や前夜発で出かけるときは、車で寝ることもしばしばあるが、狭く密閉された空間が落ち着かず、これまで積極的に利用することは無かった。
しかし、この本を読むと、むしろ快適空間を作り出すことによって、車中泊の利用価値を強調している。何より金がかからないこともうれしい。
私の愛車はワンボックスのトヨタ・ノアだが、カーテンをつけたり、シートをフルフラットにすることによって、車中泊の快適性も増すようだ。
今回は京都方面で車中泊を盛り込んだ1泊2日の探検を考えていたが、準備万端整えたにも関わらずあいにく雨の予報となり、肩透かしを食ったようだが、仕方なく日帰り探検に切り替えることになった。
日帰りとなったこともあり、カミさんのトヨタ・ヴィッツを借りる。燃費もいいし、小回りが利くので琺瑯探検にはもってこいだ。
今回のルートはこれまでも何度か足を運んだエリアであるが、まだ走っていない県道や脇道もあり、どちらかというと隙間的な探検となりそうだ。
国道19号線から中津川市内を抜け、中山道・馬籠宿に到着。何度か訪れている観光地だが、目的は酒屋の軒下の一枚の看板。
週末とあって相変わらず観光客が多いが、目的のお宝はすぐにゲットできた。愛知県高浜市の醤油醸造元の看板だ。

探検レポート85

再び国道19号線に戻り、今度は妻籠宿を経由して清内路村、阿智村を回る。「中将湯」を見つけるが、どうやらこの看板は木曽地方には多いみたいで、これまでも4枚ほど見つけている。
また、珍しいところでは、琺瑯製ではないが「産婆」と右から左に書かれた看板。よく見ると、「東京帝国大学医学部」という文字が読み取れる。しかも旧字で書かれている。
どうやら当の産婆さんが出た大学のようたが、逆算してもいったいいつ頃の看板なのか分からない。
阿智村から飯田市に入り、天竜川に沿って北上する。山沿いの小さな集落をこまめに回りながら、お宝を探していった。山里の桜もすでに散り始めており、風に乗った花びらがフロントガラスに舞い落ちる。春もそろそろ終わりだろうか。
喬木村から三遠南信自動車道矢筈トンネルを越え、上村に入った。南アルプスを望む最奥の村である。遠山川の流域に小さな集落がへばりつくように点在していた。
お宝の姿はほとんどないが、それよりも山の斜面にポツンポツンと建っている家屋に驚く。大きな鯉のぼりが泳いでいる家を見て、(仕事は、買い物は、学校は…)などと、現実的な疑問を思い浮かべてしまった。
南信濃村に入り、二週間前の静岡から入ったルートとドッキングした。前回と比べて風も暖かく、山里の春が一段と濃くなっていることに気づいた。
もうしばらくで芽吹き始めた森は、初夏のまぶしいばかりの新緑に覆われるのだろうか。その景色がまぶたに浮かぶようだった。
(2006.5.8記)
※画像上/中山道馬籠宿。石畳が続く町並みは素晴らしい。
※画像下/天竜の山間の町を歩く。



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Profile

つちのこプロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


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