琺瑯看板探検隊が行く

酒蔵と看板

酒蔵三重

伊賀の酒蔵(17)

平和酒造㈱

■伊賀市緑ヶ丘西町2612  
■代表銘柄/富士正宗・みつくりの里
■看板/淸酒 富士正宗 三重縣柘植町 平和酒造株式會社醸
1875年(明治8)創業。戦前は「森鶴」の酒名で出していたが、戦後、「富士正宗」と改めた。「富士正宗」は山田錦を使用、大吟醸は精米歩合40%。
看板は蔵の入口に貼られている。地元の酒屋等ではこの看板は確認してない。現存しているのはここだけかもしれない。(2009.1.24訪問) 

若戎酒造㈱

■伊賀市阿保1317  
■代表銘柄/若戎・義左衛門・真秀・完熟酒
■看板/①淸酒 若戎 重藤醸 ②淸酒 若戎 ワカエビス 重藤醸 ③伊賀の美酒 清酒若戎 生粋伊山郷 青山町 重藤酒造醸(タテ) ③伊賀の美酒 清酒若戎 生粋伊山郷 青山町 重藤酒造醸(ヨコ)
1853年(嘉永6)創業。2000年、(合)重藤酒造場から現在の社名に変更。伊賀米(山田錦)を使った大吟醸は精米歩合35%。若戎の精米歩合の平均は58%となっている。若戎の銘柄の由来は、伊賀上野出身の俳人「松尾芭蕉」の句「年はみな 人にとらせて若戎」より名付けられた。蔵元には直売所があり、蔵見学もできる。
若戎と伊山郷がデザインされた大型看板は伊賀地方の民家に現在でも多く貼られており、最もポピュラーな看板である。(2009.1.24訪問)

(名)菅野酒造場

■伊賀市上野農人町500  
■代表銘柄/瓢竹
■看板/淸酒 瓢竹 ヒョウチク 菅野醸
1873年(明治6)創業。銘柄の「瓢竹」は芭蕉の五庵の一つ瓢竹庵から採られた。蔵元には看板はないようだが、伊賀市内の酒屋には残っていた。(2009.1.24訪問)  

㈱福井酒造場

■伊賀市比自岐595  
■代表銘柄/福の聲
■看板/①優等淸酒 福の聲 フクノコエ/酔良焼酎 福盛 フクサカリ 福井酒造醸  ②優等淸酒 福の聲 フクノコエ 福井醸
1900年(明治33)創業。明治期からそのままの酒蔵のなかで昔ながらの手作業で仕込んでいる。純米酒のみを醸造。蔵元にかかった杉玉には「志るしの杉玉」の札が下がっている。
蔵元には看板はないが、伊賀市内の廃業した酒屋で2枚の看板を発見。(2009.2.15訪問) 

㈱大田酒造

■伊賀市上之庄1365番地の1  
■代表銘柄/東海白鷺・芭蕉紀行・半蔵・蔵ばやし・旭達磨
1892年(明治25)創業。代表銘柄の「半蔵」は伊賀忍者の服部半蔵から採っている。残念ながら蔵元に看板はなかった。(2009.1.24訪問)

(名)森本仙右衛門商店

■伊賀市上野福居町3342  
■代表銘柄/黒松翁
1844年(弘化元年)創業。近江商人、初代森本仙右衛門が滋賀県日野町からやってきて、藤堂藩の津城の南の材木置き場、三重県津市の岩田川畔に酒蔵を始めたといわれている。「黒松翁」の由来は、『翁』という謡曲の題目の1つからとっている。
建物も近代的な蔵である。琺瑯看板については自然に貼られたものは未発見であるが、宮城県の居酒屋で飾りにされたものが発見されている(KANKANさん情報)(2009.1.24訪問) 

中井酒造場

■伊賀市上野西大手町3721   
■代表銘柄/三重錦・水月・未来世紀
1897年(明治30年)創業。代表銘柄「三重錦」の大吟醸は精米歩合40%。年間の製造数が60石を前後する極小生産であり、一升瓶にして約6000本しか造らない。道路を隔てて酒蔵と直売所がある。残念ながら看板はない。(2009.1.24訪問) 

(名)森喜酒造場

■伊賀市千歳41-2   
■代表銘柄/妙の華・るみ子の酒・英・水月
1897年(明治30年)創業。生産量年間200石の小さな蔵だが、手造りの純米酒のみを製造するというこだわりがある。代表銘柄の「るみ子の酒」は漫画家の尾瀬あきらの命名。社長夫人(専務)の名から採っている。また、ラベルデザインも手がけている(下の画像)。
「妙の華」は代々の銘柄。蔵の外観も素晴らしく、いかにも看板がありそうな雰囲気があったが、残念ながらなかった。(2009.2.15訪問)

橋本酒造場

■伊賀市御代1116   
■代表銘柄/俳聖芭蕉・御代司
■看板/うまい酒 御代司 ミヨツカサ 橋本醸
1887年(明治20)創業。生産量年間150石の超ミニ蔵。全国新酒鑑評会3年連続金賞受賞の実力を誇る。杜氏は蔵元が務め家族中心の家庭的な雰囲気の中で酒造りが行われる。
蔵元には看板はないが、伊賀市内で「御代司」の看板を発見した(写真)。(2009.2.15訪問)

伊賀泉酒造㈱

■平成18年6月21日廃業
■伊賀市才良65   
■代表銘柄/伊賀越
文化年間の創業。「伊賀越」の由来は歌舞伎や人形浄瑠璃で知られる荒木又衛門の仇討ち物語「伊賀越道中」より命名された。廃業してすでに1年以上が経過し、蔵の跡地にはぺんぺん草が生え、閉ざされた門の奥にある建物も朽ち始めていた。(2009.1.24訪問)

滝本酒造場

■平成12年廃業
■伊賀市車坂850   
■代表銘柄/東天紅
伊賀上野の古い町並みを代表する建物。
三重県酒蔵組合のリストに掲載されていないので、組合に連絡をし酒造の有無を確認したところ、蔵主の死去により廃業されたことが分かった。(2007.4.7訪問/2009.1.24再訪)

北村酒造(名)

■2012年廃業
■名張市新町156   
■代表銘柄/旭金時・伊賀深山・花筏・伊山郷(いざんきょう)
■看板/①優等淸酒 旭金時 北村酒蔵 ②伊賀の銘酒 旭金時 アサヒキントキ 北村酒蔵吟醸 特約販売店
1837年(天保8年)創業。古い町並みが残る新町筋にある老舗酒蔵。伊賀流ビールも造っている。主力銘柄は「旭金時」で、山田錦、五百万石で醸造されている。
「花筏大吟醸」を購入し飲んでみたが、甘口のまろやかさとフルーティな味わいが素晴らしかった。
看板は蔵元に2枚あった。他にも酒屋に貼られたものを発見している。右下の画像は奈良県室生村で見つけたもの。
名張市は奈良県と接しているだけに、隣県への販路拡大を積極的に行っていたらしい。(2005.5.14/2007.4.7/2009.1.24再訪) 

木屋正酒造(資)

■名張市本町314-1   
■代表銘柄/高砂・幻影城
■看板/①登録商標 高砂 銘酒 タカサゴ 大西吟醸(赤) ②高級清酒 高砂 タカサゴ 大西吟醸(緑) ③清酒 登録商標 鷹正宗 大西吟醸(水色)
1818年(文政元年)創業。創業時のつち蔵で昔ながらの製法、手作りで酒を造り続けている県内有数の老舗蔵。代表銘柄の「高砂」は伊賀米の山田錦を原料に、名張川の伏流水で仕込まれる。
看板は蔵元に貼られているが、奈良県曽禰村でも見つけている。「鷹正宗」という銘柄もあった。元は大西酒蔵という銘だったようで、いずれの看板もそのように記されている。(2005.5.14/2007.4.7/2007.4.13/2009.1.24再訪) 

㈱松山酒造場

■現在休蔵中
■(旧住所)名張市蔵持町里2743   
■代表銘柄/東海松・春信・伊賀青山・かわたろう・梅の春・春の香り・名張川・単身赴任・七四郎の鬼ごろし・伊賀男山
■看板/①優等清酒 東海松 トウカイマツ  ②清酒 春信 はるのたより 山本醸
1882~83年頃(明治15年頃)創業。蔵持町で蔵を構えてきたが、2008年、名張市桔梗ヶ丘に移転した後、酒造は行われていない。
左下の画像は移転前の蔵。看板は蔵元に1枚あった。「春信」の看板は「山本醸」になっていることから別の蔵の商標を引き継いだかもしれない。
看板は三重県白山町や津市で発見している。(2007.4.13訪問/2009.1.24再訪)  

澤佐酒造(名)

■名張市夏見944   
■代表銘柄/参宮・参宮旅街道(純米吟醸)・水月・澤錦・アンプ
1793年(寛政5年)創業。創業の祖 澤 祥定は箕曲村の庄屋として灌漑事業(三村渠水)の完成に尽力するなど稲作の安定に貢献したといわれ、寛政五年(1793年)渠水の完成とほぼ同時に酒造りを創業したと伝えられている。
代表銘柄の「参宮」は全国新酒鑑評会で7年連続金賞を受賞している。蔵元には看板はないが、なぜか「キリンビール」の看板が掛かっていた。(2007.4.7訪問/2009.1.24再訪) 

瀧自慢酒造㈱

■名張市赤目町柏原141   
■代表銘柄/瀧自慢・名張乙女・滝水流(はやせ)・伊山郷(いざんきょう)・滝暖風(ほのか)・滝彩美(いろどり)・瑞穂の輝き・瑠璃色の予感
■看板/清酒 瀧自慢
1868年(明治元年)創業。赤目四十八滝の近くに蔵元があり、「瀧自慢」の酒名はこの滝から命名された。「伊山郷」は昭和44年にスタートした伊賀地方の三社(北村酒造・若戎酒造・瀧自慢酒造)の共同銘柄。
蔵の女将さんから説明を受け、「瀧自慢」純米大吟醸を購入し飲んでみたが、香りよくやや辛口のすっきりした味わいだった。
蔵元には看板はないが、三重県伊賀市内で発見した。(2007.1.24訪問) 

(名)福持酒造場

■名張市安部田3905   
■代表銘柄/天下錦・水月
1875年(明治8)創業。蔵がある安部田はもと錦生村と呼ばれていた。酒名はその「錦」の字をとって命名された。
あいにくの休みでお酒の購入ができなかったのが残念。酒蔵にはホーロー看板はない。(2007.1.24訪問) 

中南勢の酒蔵(16)

松島酒造㈱

■津市安濃町大字南神山191  
■代表銘柄/初わらひ・晴れ娘・高虎.秀峰・安濃誉・みさと龍神
1846年(弘化38年)創業。「初わらひ」の由来は、納得のいく酒ができたときに蔵元に笑いがうずまいたことによる。丹波杜氏が手作りで仕込む酒。
休日とあって蔵の中には入れず、看板の確認ができなかった。(2009.2.11訪問) 

今村酒造㈱

■津市香良洲町263  
■代表銘柄/きげんよし・白砂青松・丹精・国ノ春・初夢神
■看板/清酒 きげんよし キゲンヨシ 今村醸
1855年(安政2年)創業。酒蔵がある香良洲町は出雲川と出雲川古川に挟まれた島のような土地である。「きげんよし」の由来は、酒は陽気に飲むもの。酒名はそんないい酔いを誘うようにと付けられた。原料米は山田錦、うこん錦。
看板は津市内の酒屋で2枚見つけている。(2009.2.11訪問) 

倉田酒造㈱

■津市河芸町一色1220  
■代表銘柄/豊洲
■看板/①登録商標 清酒豊洲 倉田酒造株式會社(赤) ②登録商標 清酒豊洲 倉田酒造株式會社(青)
1820年(文政3年)創業。伊勢街道(参宮街道)が通る河芸町一色付近には倉田酒造の他にも小川本家もあり、古い町並みも残っているエリアである。
「豊洲」は普通酒のみの醸造のようだ。看板は蔵元に青と赤の色違いのバージョンが2枚貼られている。 (2007.2.12/2008.4.1/2009.2.11再訪)

㈱小川本家

■津市河芸町一色1425  
■代表銘柄/八千代・福千代・酒祝・本醸造豊津郷なま
■看板/①清酒 八千代 小川本家吟醸
1887年(明治20年)創業。子々孫々八千代にわたっての繁栄を願って命名されたという。倉田酒造とは至近距離である。
蔵元に看板は2枚貼られている。近鉄名古屋線の車窓からも確認できる。また、津市内の民家でも発見している(下)。(2005.2.27訪問/2009.2.11再訪)

㈱油正

■2021年4月廃業
■津市久居本町1583  
■代表銘柄/初日・初日純米吟醸クラシック・初日吟醸クラシック・伊勢風土記・海の詩・やからたれ・初日古吟酒
■看板/清酒 初日 ハツヒ 油正醸
1869年(明治2年)創業。旧久居市の中心部にある蔵元。日本酒の他に醤油、味噌も造っている。久居は330年前にこの地に住むことを決めた藤堂高通の「久しく居す」という言葉から名づけられたといわれている。
代表銘柄「初日」の由来は、伊勢の名所二見が浦の、夫婦岩より昇る紅に燃えた初日を見て、その雄大さと美しさにうたれ、名付けられた。
看板は以前は蔵元に看板があったようだが、現在は貼られていない。看板は津市内の民家に貼られた正方形のタイプを見つけている(下の画像)。酒屋に貼られた短冊形のタイプもあるようだが、見つけていない。
尚、同じ「初日」という名称で協和発酵から出ているブランドの看板もあるが、字体が違うのと、「油正」と明記されていないので見分けはつく。(2009.2.11訪問) 

寒紅梅酒造㈱

■津市栗真中山町433  
■代表銘柄/寒紅梅・白雪盛・酒屋五兵衛・伊勢の銘酒鬼ころし・赤のれん・寒紅梅しぼりたて原酒
■看板/①清酒 寒紅梅 かんこうばい 寒紅梅酒造株式會社醸 ②登録商標 清酒 志ら雪盛 増田吟醸
1854年(安政元年)創業。「寒紅梅」は梅の花のように香り高く色美しい良い酒ができるように命名された。歴史を感じる蔵も素晴らしい。直売所もあり、山田錦を使用した純米吟醸酒を購入。
看板は酒蔵に「寒紅梅」が3枚、直売コーナーに「志ら雪盛」が1枚貼られている。(2009.2.11訪問) 

海野酒造㈱

■津市白山町大字南家城1074-1  
■代表銘柄/明乃春
1868年(明治元年)創業。代表銘柄は本醸造酒の「明乃春」。
ナビで探すも酒蔵の位置がよく分からなかった。酒店の奥に煙突が見え、酒蔵と分かった。(2009.2.11訪問)  

飯田酒造㈱

■平成14年頃廃業
■津市津市久居木造町1411-1 
■代表銘柄/君子蘭・ぬのびき
1905年(明治38年)創業。酒造好適原料米の五百万石、大空などを使い、雲出川の伏流水で杜氏はじめ蔵人たちが丹精込めてやわらかで口あたりのいい清酒を年間千五百石(約27万リットル)仕込んで県内をはじめ各市場に出荷している。
酒蔵を訪ねてみたが杉玉もなく??まさかとは思うが…三重県酒造組合名簿にもないし…。後日、問い合わせたところ平成14年頃に廃業したということが分かった。 (2009.2.11訪問) 

船木酒造㈱

■松阪市嬉野井之上町189   
■代表銘柄/ゑびす顔・倭姫・純嬉野酒・豊泉
■看板/清酒 ゑびす顔 エビスガオ 船木酒造株式会社吟醸
1916年(大正5年)創業。もともとは養蚕を営んでいたが、初代が酒造りを始め、地元嬉野米にこだわり丹精込めて醸造している。道路を隔てて直営の酒販店がある。
酒蔵には看板はなかったが、地元嬉野町の酒屋で「ゑびす顔」の看板を見つけている。
また、宮城県の居酒屋の飾り看板として短冊タイプの報告がある(KANKANさん情報)。(2009.2.11訪問) 

新良酒造㈱

■松阪市大黒田町130   
■代表銘柄/夢窓・一粒一滴・東海千代乃松・古色蒼然
1868年(明治元年)創業。酒造好適米・五百万石を使った特別純米酒「夢窓」、山田錦を使った「一粒一滴」、世界酒類コンク-ルで1994年から三年連続金賞に輝いた秘蔵古酒「古色蒼然」などが人気銘柄。
酒蔵がある大黒田町は古い町並みが軒を連ね雰囲気も素晴らしい。休日とあって中に入れず、看板の有無は確認していないが、蔵の外観も歴史を感じる重厚さがあった。(2009.2.11訪問) 

中山酒造㈱

■松阪市小阿坂町2532   
■代表銘柄/白米城・白米城純金入祝酒・農と匠の酒・三重 朝香・真珠の古里
■看板/①清酒 白米城朝香 中山酒造株式會社(赤地タイプ) ②清酒 白米城朝香 中山酒造株式會社(青地タイプ) ③酒は 朝香 三重 アサカ
1820年(文政35年)創業。代表銘柄の「白米城」は阿坂城(白米城)の名から取っており、酒蔵のある阿坂の里で栽培した酒造好適米と天然水にこだわって造られている。
看板は酒蔵に2枚があり、「朝香」の看板は盃のデザインがされたのもので、倉庫の高い位置に貼られている。
また、松阪市内の酒屋でも青地のタイプを発見している。(2009.2.11訪問) 

清水酒造場

■松阪市庄町388   
■代表銘柄/名譽勲泉・勲泉
■看板/①清酒 勲泉 クンセン 清水酒造謹製 ②優等清酒 勲泉 清水吟醸
江戸時代末期、土地の庄屋で鳥羽藩の御用商人だった下倉浅右衛門が始めた造り酒屋。鉄分が少なく有効なミネラルに恵まれた櫛田川の伏流水が、この酒の源になった。
人気銘柄の「勳泉」は、昭和初期に久居の連隊に納入していた際、連隊長が「勳功の泉」から命名。地元の松阪をはじめ伊勢、四日市などに出荷している。
蔵に貼られた「勲泉」の看板がなかったら、外観からは酒蔵とは分かり難くかった。なお、「勲泉」の看板は蔵元で1枚と飯南町の廃業した酒屋で1枚を見つけている。(2009.2.11訪問) 

㈱中川酒造場

■平成18年9月廃業
■松阪市魚見町302   
■代表銘柄/高砂鶴・やまとごごろ・まつさか・酒十徳
■看板/①清酒 高砂鶴 タカサゴツル
慶応年間から約120~130年続く老舗の蔵元。酒の銘柄は創業当時から造っている「高砂鶴」。すでに廃業しているが、看板はそのまま残っており、5枚が貼られている。(2009.2.11訪問)    

旭酒造㈱

■多気郡明和町山大淀3032   
■代表銘柄/伊勢旭・志摩娘・吟醸兄弟酒・松正宗
■看板/①清酒 伊勢旭 イセアサヒ(回転タイプ) ②清酒 伊勢旭 イセアサヒ(吊り)
1869年(明治2年)初代 酒名は伊勢地方にちなんだ命名で創業時から使っている。但馬杜氏が宮川の伏流水で仕込む。
看板は蔵元の駐車場のフェンスに2種類5枚が貼られていた。右上の「酒」の枠型に左下の看板が取り付けられ、回転するしくみになっていたようだ。(2009.2.11訪問)

河武醸造㈱

■多気郡多気町五桂234    
■代表銘柄/鉾杉
■看板/①清酒 鉾杉 品質第一 ホコスギ(横) ②純良清酒 鉾杉 ホコスギ 河武醸(短冊)
1858年(安政4年)創業。櫛田川と宮川に挟まれた紀州街道に沿った山里にある小さな蔵。弘法大師が掘ったと伝えられる「二つ井」と名付けられた湧水があり、その伏流水を汲み上げて、醸造をしている。
社名の由来は、河合の河と、蔵主襲名『武八ぶはち』の武を合わせて『河武』。お酒以外に味噌、醤油も造っている。
蔵を訪ねたときに、カメラを向けていると、きさくなご主人から、“絵になる撮影ポイント”をアドバイスしていただいた(笑)。
看板は蔵元以外に、松坂市の廃業酒屋で発見している。(2009.2.8訪問)  

元坂酒造㈱

■多気郡大台町柳原346-2    
■代表銘柄/東獅子・伊勢五十鈴川・酒屋八兵衛
■看板/高級清酒 東獅子 アヅマシシ 元坂醸
1805年(文化2年)創業。三重県では最南部にある酒蔵。創業以来造り続けている「東獅子」と十年ほど前に作り始めた「八兵衛」が代表銘柄。
昭和の終わりごろ全国的に安く造る傾向があったが、「八兵衛」は酒本来の味を楽しんでもらうため、原料の米選びから「味」を追求。原点にもどる意味を込めて創業者の名前を付けた。米は多気郡勢和村で生まれた地元産酒米「伊勢錦」を、水は、きれいで水量が豊富な宮川水系の伏流水を使用。同川の伏流水を使っている造り酒屋は元坂だけという。
看板は社屋玄関に「東獅子」が貼られている。休日とあって中に入れなかったのが残念。(2009.2.8訪問) 

北勢の酒蔵(15)

清水醸造㈱

■鈴鹿市若松東3-9-33  
■代表銘柄/鈴鹿川・大黒屋光太夫・酔夢譚・笙・鼓・絃・箏 1869年(明治2年)、大黒屋清水清三郎商店 として創業。
「御陰石」の鈴鹿酒造、「勢開」の森田酒造、「さざれ石」の十一屋野田商店が廃業した現在では、鈴鹿で唯一の蔵元。(2009.2.11訪問)  

鈴鹿酒造㈱

■平成20年6月廃業
■鈴鹿市若松東1-22-8  
■代表銘柄/御陰石
1947年(昭和22年)創業。鈴鹿山系からの水を敷地内の井戸からくみ上げ酒造を行っていたが、平成20年廃業。廃業後一年も経っていないのに、すでに酒蔵の跡地は荒れ放題で朽ち始めていた。(2009.2.11訪問) 

神楽酒造㈱ 

■四日市市室山町326  
■代表銘柄/神楽・天美禄・酒入門
■看板/神楽 純良清酒 カグラ 伊勢室山 伊藤酒造部
1858年(安政5年)創業。室山地区は近代産業発祥の地のひとつで、狭い集落の中に大きな歴史を感じる酒蔵や工場が建ち並んでいる。3軒あった酒蔵のうち、「白梅」を造っていた笹野酒造部が2008年3月に廃業してしまい、現在は2軒になっている。
神楽酒造がある付近には室山駅があったようで、神楽酒造には「ムロヤマ」の駅名看板が貼られている。神楽酒造は元々、明和元年の初代伊藤小左衛門によるみそ・しょうゆの生産をルーツにもつ老舗の造り酒屋で、酒造りは安政5年に開始し、以来、杜氏たちに伝承された手造りの醸造を行っている。
看板については酒蔵の入口に「ムロヤマ」駅の看板とともに掲げられている。(2009.2.11訪問) 

㈱ナカムラ

■四日市市室山町328  
■代表銘柄/三瀧川・初響
1955年(昭和30年)創業。酒名の「三瀧川」は地元の川より命名された。蔵は神楽酒造と隣併せに並んでいる。
三重県酒造組合には加盟していない。看板の有無は不明。(2009.2.11訪問)

(資)笹野酒造部

■平成20年3月廃業
■四日市市室山町1  
■代表銘柄/白梅
1832年(天保元年)創業。室山地区で歴史ある蔵の代表だったが、平成20年3月に廃業。
蔵の近くにある笹野酒造部の創業者の別荘邸「ザ・白梅クラシックガーデン」という結婚式場に経営が引き継がれている。看板の有無は不明。(2009.2.11訪問) 

伊藤酒造㈱

■四日市市桜町110  
■代表銘柄/鈿女・猿田彦・神話物語・里の華・美酒工房・鈿女の舞・日本華・夢一杯・鈴鹿山麓
■看板/清酒 日本華 ニホンカ 伊藤酒造株式會社
1847年(弘化4年)創業。名水百選「智積養水」が流れる地で、約百五十年前から地酒を手造りする蔵元。
看板は「日本華」が蔵の入口に1枚と、駐車場に面した直売所に1枚貼られている。夕闇が迫ったなかで撮影。(2009.2.11訪問) 

石川酒造㈱

■四日市市桜町129  
■代表銘柄/噴井・花の井・松梅升升半升
1832年(天保元年)創業。自社HPによると豪農出身の初代石川丈助が年貢米を元に酒造業を創始し、2代目の丈三郎の時代に大きく事業拡張し、今の基礎を築いた。酒造りの仕込み水には鈴鹿山系の伏流水を使用しており、吟醸酒を仕込むには。軟水で相性ピッタリのソフトな水である。
前記の伊藤酒造の目と鼻の先に蔵があるが、休日とあって概観のみ撮影となった。看板の有無は不明である。(2009.2.11訪問)

㈱宮崎本店

■四日市市楠町南五味塚972  
■代表銘柄/極上宮の雪・純米酒生粋宮の雪・大吟醸宮の雪・特選宮の雪・金鳳宮の雪
1846年(弘化3年)創業。宮崎本店がある楠町は鈴鹿山脈からの湧き水が豊で、往時は30軒あまりの酒蔵があったという。
「宮の雪」は伊勢神宮の宮と、鈴鹿山脈の雪の白さから取られている。酒蔵は巨大で、漆黒の壁が続く景観は素晴らしい。
付近には酒蔵ストリートともいえる古い町並みも残っている。三重県を代表する蔵であると思う。看板については残っていないようだ。(2009.2.11訪問)

丸彦酒造(名)

■四日市市川島町1863-2  
■代表銘柄/三重の寒梅・はま娘・女このみ・穂波・押忍・千萬・桃太郎鬼ころし
1867年(慶応3年)創業。代表銘柄の『三重の寒梅』の発売は平成元年から。山田錦を58%の歩合で醸造している。
酒蔵の場所は狭い旧道沿いの住宅地にあって分かり難かった。老舗の蔵であるが建物は近代的。看板の有無は不明。(2009.2.11訪問) 

齋木酒造㈱

■四日市市日永2丁目8-21  
■代表銘柄/栄光冠
1961年(昭和36年)創業。建物に歴史を感じるが、創業は浅いようだ。銘柄の『栄光冠』は精米歩合65%。蔵の情報そのものがほとんどなく、再訪して取材をしたい。(2009.2.11訪問)

タカハシ酒造㈱ 

■四日市市松寺2丁目15-7  
■代表銘柄/天遊琳・伊勢・伊勢物語・伊勢の白酒
1862年(文久2年)創業。伊勢神宮をはじめ県下約800社の神社に新嘗祭の御神酒を謹醸している。蔵の入口に限定酒や酒粕の販売などを販売する「伊勢の蔵」という直売所があるが、日祝日休みである。
酒蔵見学も予約制でできるというので、次回再訪をしたいと思う。(2009.2.15訪問)

(資)後藤酒造場

■桑名市赤尾1019  
■代表銘柄/青雲・久波奈
1917年(大正6年)創業。桑名は江戸時代、日本屈指の米の貿易港であった。木曽三川の穀倉地帯にある町屋川の伏流水を使って醸造。
蔵は田園地帯を抜けた小さな山林に囲まれた丘陵地にある。丘の上から蔵の全景を見下ろすことができる。看板の有無は分からないが、ぜひ探してみたい。(2009.2.15訪問) 

(資)早川酒造部

■三重郡川越町高松829  
■代表銘柄/天一・天慶・粋
1873年(大正6年)創業。元々は川越町の海岸近くで営んでいたが、よい水を求めて蔵ごと現在地に移転。主力銘柄は創業当時の所在地の地名と「天下一品」の天と一をとって命名。四日市港に近い朝明川の堤にある。
酒看板はない。橋を隔てて平田酒造があったが、平成17年3月にすでに廃業していおり、現在は酒蔵があった場所は酒屋になっている。(2009.2.15訪問) 

(有)稲垣酒造場

■三重郡朝日町大字柿2174   
■代表銘柄/御山杉・月の真珠・蛤茶屋
1883年(明治16)創業。「御山杉」の名称は伊勢神宮のご神木御山杉からとっている。HPによると、先代が亡くなったあと、長女である陽子氏が跡を継ぎ、酒造りを行っている。
JR朝日駅から至近の蔵。旧道沿いの町並みもなかなかである。琺瑯看板については、回転式の看板が蔵にかかっていたという情報がある。(2009.2.15訪問)

安達本家酒造㈱

■三重郡朝日町縄生2107   
■代表銘柄/富士の光・清鷹
1910年(明治43年)創業。蔵の前は旧・東海道が通っており、古くは街道を歩く旅人の目印になっていたという。近鉄の車窓からもよく見えるので、三重に出張の折はずっと気になっていた。主要銘柄は「富士の光」と「清鷹」。
名前の由来は縁起物の「一富士、二鷹、三なすび」からとっている。看板の有無は不明。(2009.2.15訪問) 

Profile

つちのこ プロフィール
つちのこ
岐阜県在住。
歩き旅とB級グルメの食べ歩きが好きな定年オヤジです。 晴耕雨読ならぬ“晴読雨読”生活に突入し、のんびりとした日々を送っています。
2020年には、少年のころからの夢だった、北海道から鹿児島まで日本列島を徒歩で縦断。
旅の様子はブログ『つちのこ更新日記』で発信中です。


琺瑯看板探検隊が行く
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