酢(81)
全国区はなんといってもミツカン酢のようだ。大型看板なので鉄道沿いにもよく貼られている。また、酢看板は醤油や酒とセットで貼られているケースも多く、デザインもユニークでマニア心をくすぐるアイテムといえそうだ。ミツカン酢の詳細については琺瑯看板考現学「ミツカン酢の主張」を参照ください。
※画像/鳥取県(2006.10.21)
ミツカン酢(7)
タマノヰ酢(5)
マンネン酢(6)
マルカン酢(6)
ローカル系ブランド(57)
ひとくちメモ
▼タマノ井酢・すしのこ
タマノイ㈱ 大阪府堺市。1907年(明治40)に大阪造酢合名会社を創立したのが始まり。「すしのこ」は1963年(昭和38)発売のロングセラー。
▼マンネン酢・萬年酢
マンネン酢(合) 岡山県瀬戸内市。1891年創業。氷温状態でつくられた「鼻にツンとこないお酢」を発明したということでも有名。
▼ミヅホ酢
ミヅホ㈱ 奈良県橿原市。創業は1877年(明治10)。更に遡れば1658年(万治元年)に大和の耳成村で先祖が米酢の製造を始めたのが最初といわれている。現在は米酢と味噌を造っている。
▼ヤマニ酢
山二造酢㈱ 三重県津市。創業は明治20年。「じっくり発酵、ゆっくり熟成」がコンセプト。
▼マルキ酢・マルキの即席酢
㈱川上酢店 愛知県岡崎市。2021年破産廃業。大正13年に初代川上喜代郎が味噌、醤油、酒類の小売業を始める。看板は本社工場と西尾市、岡崎市内で発見。
▼ココノエ酢
㈱雑賀豊吉商店 和歌山県和歌山市。創業1908年(明治41)。蔵元である「雑賀豊吉商店」は地元和歌山では“九重酢(ココノ酢)”と日本酒の代表銘柄“錦郷(きんきょう)”製造元として有名。
▼テンリュウ酢
中上商店 和歌山県有田市。米酢、橙ポン酢、柚子ポン酢を製造。創業1869年(明治2)。
▼マルカン酢
マルカン酢㈱ 兵庫県神戸市。創業は慶安2年(1649)。岡田半左衛門泰次が尾張で清酢の醸造を始めたのが最初。琺瑯看板は西日本を中心に発見している。ミツカン酢に次いでポピュラーな看板。
▼マルワの酢
牧野酢店 岐阜県川辺町。
▼仁尾酢
中橋造酢㈱ 香川県三豊市仁尾町。寛保元年(1741)創業。四国を代表する醸造メーカー。白漆喰の蔵の外観も老舗の風格充分で素晴らしい。看板は蔵元と香川県内で発見している。
▼ツルカメ酢
(有)ツルカメ酢本店 岡山県久米郡久米南町。旧・富田酢店。
▼花咲酢・ハナサキ酢
花咲酢醸造㈱ 和歌山県海南市。
▼むすめ酢
近藤造酢㈱ 大阪府吹田市。創業明治42年。「ムスメ印」のブランドで昔から親しまれているようです。
▼カクタ酢
田中増治郎酢店 三重県四日市市。明治21年の創業。
▼吉の酢
㈱神崎屋 香川県高松市。1789年(天明9)創業。蔵の外観も一際目を引く古さです。
▼三国酢
三国酢造㈱ 広島県大竹市。創業は昭和3年。和歌山県有田市の中上商店・天龍のお酢のようです。米酢、橙ポン。
▼泉川清酢
林忠次郎商店 京都府京都市上京区。創業は江戸時代末頃といわれている。
▼ウヅラ酢
大興産業㈱ 岡山県井原市。大正8年創業。創設者である片山橘治が大正11年に「ウヅラ酢の素」と名付ける。現在は農協ブランドとなっている。
▼丸正酢きんらん
(合)丸正酢店 和歌山県那智勝浦町。明治12年創業。蔵元は歴史を感じる立派な作りでした。
▼天白酢
天白酢醸造元曙商会 和歌山県那智勝浦町。「天白酢」は古くから地元産のお酢として”地産地消”されており、製造できる職人さんも一人しかいないというようです。
▼ミヨノハナ
田村造酢㈱ 和歌山県かつらぎ町。1808年(文化5)創業。紀ノ川流域で採れる「平たねなし柿」のみを丸ごと使用して、造ったお酢「ミヨノハナの柿酢」を製造・販売。
▼ゴトウ酢米酢
㈱後藤商店 広島県庄原市東城町。創業は江戸末期。創業以来「後藤の赤酢」として伝わったようです。田中増治郎酢店。
▼宝酢
宝酢造本店 岡山県倉敷市玉島黒崎。「ミツカン酢」のデザインによく似ています。
▼パイカン酢
和歌山県那智勝浦町の醸造元。奈良県で発見したが、店主との関係で貼られたという。奈良県との関連はないということだった。
▼石丸酢
生創石丸㈱ 香川県高松市。明治44年創業。酢の他にも地酒やミネラルウォーターを製造しています。
▼マルカメ酢
飯田酢造店 静岡県掛川市横須賀。旧横須賀宿にある小さな蔵元。
▼桜酢
笹埜造酢(有)岡山県岡山市東区瀬戸町。1950年(昭和25)創業。果実酢飲料も造っている。
▼キッコーミヤ酢
㈱宮崎本店三重県四日市市。1846年(弘化3)創業。清酒「宮の雪」とキンミヤ焼酎が有名な酒蔵。キッコーミヤ酢は現在造っていないようです。
▼高瀬の誉
荒木直平商店。熊本県玉名市高瀬。明治3年創業。蔵元に2枚かかる看板は畳ほどもある巨大看板。